「骨折しても痛くない」考えられる理由とは?


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骨折には「骨が折れて痛みが強く出る」というイメージが一般的ではないでしょうか?

実は骨折にはさまざまな状態があり、骨折をしても痛くないケースもごく稀にあるのです。

今回は骨折をしても痛くない、考えられる理由や症状を詳しくお伝えしていきます。

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詳しくはこちら。

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院長:伊藤良太
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「骨折でも痛くない」で考えられる理由

骨折でも痛くないで考えられる理由を早速見ていきましょう。

どのような理由があるのでしょうか。

骨には痛みを感じる神経がない

ほとんどの患者さんがご存知ない事実です。

骨には痛みを感じる神経がありません。

骨折で痛みを感じるのは【骨を覆っている骨膜という膜には痛みを感じる神経が多いため、骨折により骨膜が傷づくと痛みを感じる】のです。

このようなことから、骨膜を傷つけずに骨だけがヒビ、または完全に骨折をしてしまっていても、稀に痛みを感じないケースもあります。

当院でも脱臼骨折をしている患者さんが夜間に来院されましたが、脱臼と骨折を一緒に起こしているにも関わらず全く痛みを感じていない、という場面を経験しました

私も初めての経験で何度も「本当に痛くないのですか?」と聞いたのを覚えています。

脱臼骨折についてはこちら。

脱臼骨折とは?原因や症状、脱臼骨折が起こりやすい部位を解説。

疲労骨折

疲労骨折は、1回の衝撃で連続していた骨がぽっきりと折れてしまう症状とは違い、同じ骨に小さな力が少しずつ加わることで生じる骨折のことを言います。

ほんの僅かなヒビの場合には、痛みは発症せず、気づかずに動いてしまうケースも少なくありません。

ですが、何かの拍子に強い痛みを感じてエコー(超音波)で患部を見てみると、ヒビが見られることがあります。

疲労骨折は慢性的なスポーツ障害となり、同じ動きを繰り返すスポーツに生じる傾向です。

疲労骨折についてはこちらをご覧ください。

疲労骨折の予防法と対処法、早期の症状改善のためにできることを徹底解説!

いつの間にか骨折

「いつの間にか骨折」とは加齢や運動不足、栄養やホルモンバランスの乱れが原因となる骨粗鬆症によって起こる骨折のひとつです。

圧迫骨折とも呼ばれることがある「いつの間にか骨折」は、知らず知らずのうちにもろくなっている骨が衝撃を受け続けて骨が押しつぶされたような変形を起こします。

「いつの間にか骨折」の場合には「痛くない」というのとは少し違い、通称の如く「気づかない骨折」と言った方が適切かもせれません。

日常生活は支障なく過ごせてはいるものの、特定の動きだけには痛みを感じるため。「腰痛や背中の痛みだろう」と思い込んでしまうのも特徴の一つです。

痛みが続くのでレントゲンを撮ってみると実は骨折だった。という流れも珍しくありません。

圧迫骨折についてはこちらもご覧ください。

圧迫骨折時の座り方とやってはいけないこと、痛み軽減のために出来ること

ごく僅かなヒビ

ごく僅かなヒビの場合には、痛みを感じないケースもあります。

痛みを感じないケース、というのは「動いては痛くないけど、押すと痛い」という状況です。

誰にでも起こりうることで「運動はできる(動かせる)けど、押すと痛い」という理由で来院させる方がいらっしゃいます。

そのような患者さんにエコー(超音波)で患部を見てみると、1ミリにも満たない僅かなヒビが見つけられるのです。

同時に骨膜にも傷が付かなければ痛みも感じないのも、当てはまる理由となるでしょう。

骨のヒビを放置するとどうなるのでしょう。

こちらも合わせてご覧ください。

骨のヒビは放置するとどうなるの?部位別にみる放置の影響と症状とは。

指の骨折が軽度の場合は、重度の骨折に比べて痛みが出にくいケースもあります。

こちらも僅かなヒビであれば痛みまでではないけども、違和感や腫れぼったさがあるくらいで治る場合もあるのです。

指の骨折は患部を固定と安静によって、痛みを感じないまま改善することもめずらしくはありません。

ただ、患部をぶつけると痛みは感じますし、放置をしていると症状を抱える期間も長くかかるでしょう。

捻挫と骨折の見分けが難しいのも指のケガの特徴かもしれません。

突き指と骨折の見分け方!症状の違いや治療期間の目安を解説。

骨折で痛くなくても整形外科に行くべきか

「骨折で痛くなくても整形外科に行くべきか」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

「骨折をしても痛みがなく、スポーツや日常生活を過ごす上での支障がないから整形外科に行かなくても問題がないのでは?」と思うのも当然かもしれません。

できれば適切な処置を受けた方がリスクは少なくなります。

その理由には、【骨に傷がついていることでスポーツや転倒、事故などの大きな衝撃が加わった際に骨がぽっきりと折れる完全骨折につながるおそれがある】からです。

痛みや腫れ、内出血がある場合には自己判断せずに、早めに整形外科で診てもらうようにしましょう。

関連記事としてこちらをご覧ください。

肋骨骨折放置のリスクと対処法を詳しく解説!

骨折について

ここからは骨折について、主な原因や症状、痛みに関する詳細をお伝えしていきたいと思います。

原因

骨折の原因には、

  • スポーツ時や日常生活の中での転倒や衝突による、外側からの強い圧力
  • 骨の疲労の蓄積によってヒビから大きな骨折になる
  • 加齢やホルモンバランスの乱れによって骨がもろくなり、衝撃を受けやすいため

などがさまざまなことが考えられています。

また骨折は、

  • 骨量が減少する「骨粗鬆症」
  • 骨に生じる悪性腫瘍のことを言う「転移性悪性骨腫瘍」

など深刻な疾患が原因で生じることもあります。

症状

骨折をすると、主に以下のような症状が出やすくなります。

  • 腫れ、赤み、内出血
  • 患部を押すと激しい痛みが出る
  • 何もしていない状態でも、ジクジク、ズキズキとした痛みが出る
  • 折れた骨が神経を圧迫し、患部に力が入らない、動かせない
  • 通常では見られない方向に骨折した部位が曲がっている、変形している
  • 骨折部位を動かすと、骨同士が当たる音がする

腫れと強い痛みがある時には骨折を判断して、先生に見てもらいましょう。

痛みのピーク

骨折をしてからの痛みのピークは、安静や固定時間によって異なるケースがあります。

骨折をしてからすぐに適切な固定をし、安静時間を守っていた場合は1~2日目がピークで少しずつ痛みが緩和する傾向です。

逆に骨折後すぐの固定や安静期間を設けなかった場合は腫れがひどくなると同時に痛みもピークに達し、個人差があるものの1週間程度痛みが続くケースがあります。

治りかけの痛み

骨折は骨がくっつくことが完治ではなく、骨折した骨やまわりの組織が本来の状態に戻るまでが完治と判断した方が良いでしょう。。

骨折の治りかけの痛みが出るのは、仮骨から強い骨に置き換わる再生中の骨に圧力がかかるためとも言われています。

骨折をすると、そのまわりの筋肉や関節が硬くこわばり、弱い状態になり、可動域が制限されて患部を動かそうとしたときに痛みや違和感が生じやすくなるのです。

痛くても動かすことで痛みがなくなる状態もあるため、先生を相談しながら進めていきましょう。

リハビリについてもこちらで解説しています。

リハビリの目的や分野とは?意味あるものにするためのポイントを解説!

【まとめ】「骨折で痛くない」について

本記事では骨折で痛くない、について考えられる理由を解説してきました。

骨折で痛みがないと自然に治るだろうと楽観することがありますが、完全骨折や後遺症のリスクを考慮して、決して自己判断をせずに治療や施術を受けていただければと思います。

 


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