捻挫の治療とは。保存療法や手術、早く治す方法を柔道整復師が詳しく解説


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捻挫は関節を捻ったケガのことを言い、スポーツや転倒など、日常生活の些細な動きがきっかけでなってしまうため頻繁に起こりやすいケガのひとつです。

特に足首の捻挫は起こりやすく、次に多いのは手首の捻挫になります。

ここでは捻挫をしてしまった際にどんな治療が必要になるのか、保存療法や手術、応急処置の流れについて詳しくお伝えしていきますので参考にしていただければ幸いです。

※本記事では最も多い足首捻挫についての内容となります。

手首の捻挫についてはこちらをご覧ください。

手首の捻挫は接・整骨院へ!完治までの期間と治らない理由を徹底解説!   

院長:伊藤良太
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捻挫の治療について

捻挫の治療には保存療法と手術があります。

それぞれの目的や方法、流れについて見ていきましょう。

保存療法

捻挫の一般的な保存療法は、重症度の程度を表す、

によって治療内容が異なっていて、Ⅰ度の場合は微細な靱帯の断裂のため、包帯などで患部を固定し、一定期間の安静を維持・経過観察となります。

捻挫がⅡ度の場合は靭帯の損傷が部分断裂となり、固定・安静の後、リハビリ(運動療法)となる流れでしょう。

Ⅲ度の場合は完全断裂の状態にあるため、一定期間ギプスによって固定をして経過観察を行います。

捻挫はⅠ~Ⅲの状態にかかわらず、湿布や鎮痛剤の処方、電気治療などが選択されるケースもあるでしょう。

靱帯の損傷ついて詳しくはこちら。

靭帯損傷とは?症状や治療法、早く良くなる方法を解説します。

手術

捻挫の手術は靭帯の明らかな断裂が見られる際に選択されることが多い治療法で、スポーツ復帰を目的としている場合は、手術による治療が選択されるケースが多い傾向です。

捻挫の手術は関節鏡を使用した解剖学的足関節外側再建手術が実施されるため、以前のように大きな切開をしないため、早期のリハビリ開始が可能となっています。

足首捻挫周辺で起きやすい「腓骨筋腱脱臼」も手術が必要な場合も。

詳しくはこちらをご覧ください。

腓骨筋腱脱臼は保存療法とサポーターで対処!手術はどんな時に必要?

捻挫の治療で見極めなければいけないこと

捻挫の治療で見極めなければならない重要な点があります。

捻挫の治療で見極めておきたい重要点とそれぞれの理由を見ていきましょう。

捻挫の程度

捻挫には前項でもお伝えした、

の状態に分かれ、それぞれに治療法が異なっています。

そのため、必ず患部の状態を超音波やMRIで確認することが最も大切です。

画像で患部の状態を確認せずに症状だけで判断すると、実は「Ⅱ度やⅢ度だった」といういケースも少なくはありません。

捻挫による症状だけでなく、必ず画像にて患部の状態は把握しておくべきでしょう。

捻挫と骨折の見分け方についてはこちら。

捻挫と骨折の見分け方は?それぞれの対処法と疑問にお答えします

症状

捻挫をすると、

といった症状が出やすくなります。

捻挫による外力で靭帯の部分断裂や完全断裂だけでなく、関節や周りの組織も損傷するため内出血が起きる傾向です。

そして炎症による腫れによって関節の内圧も上がり、同時に動くことによる痛みを感じるようになります。

捻挫の症状はⅠ~Ⅲ度の程度によっても異なっています。

ただあくまでも目安の症状ですので、完全断裂をしていなくても腫れや内出血、歩行が困難な時もあります。

実は捻挫は足首だけでなく、足の甲でも捻挫は起木、時には併発することも。

詳しくはこちらをご覧ください。

足の甲の捻挫とは。原因や症状、早く治す方法を柔道整復師が解説。

長引く原因

捻挫の治療や施術を受けても長引いてしまうのは、

といった原因が考えられるでしょう。

なかなか治らない原因はさらに他にあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

足首捻挫が治らない原因とは?対処・予防法も解説します!

捻挫の治療で大切なこと

捻挫の治療で大切なことを知っていれば、さらに早期に治すことは可能です。

痛みや腫れを早めに改善するために、治療で大切なポイントをまとめてお伝えします。

応急処置(対処法)

捻挫をしてしまってから、すぐにしておきたい対処法が応急処置です

捻挫の応急処置は、RICE処置が基本となります。

捻挫に気づいた際に早期の応急処置を行っておくと、腫れの軽減と症状悪化の予防にアプローチできるでしょう

さらに詳しいRICE処置についてはこちら。

アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点

画像検査

捻挫の画像診断ではCTやMRI、超音波(エコー)などが選択され、特にMRIや超音波(エコー)による画像診断は

のさまざまな部位を観察・診断でき、症状の判断や適切な治療の選択に大いに役立ちます。

レントゲンやCTでは予約が必要となりますので、早く患部の状態を確かめたい際には接骨院や整骨院でも設置している超音波(エコー)で見てみましょう。

固定

包帯やテーピング、添え木などによる固定は、靭帯の損傷や断裂によって不安定になってしまった関節を支えたり、無理な動きを制限して回復を促す目的があります。

同時に患部の安静による炎症の早期軽減と内出血の吸収を促す意味もあり、Ⅱ度以上の場合には必ず行うべき処置と言えるでしょう。

早期の歩行

早期の歩行をする目的には

などが挙げられます。

病院のように1週間間隔での通院になると、始めるべき歩行のタイミングが遅れてしまい、治る期間も長くなっているのが現状です。

そのため、数日間隔での通院による判断は早く治るためにはとても大切なことになります。

【歩行の遅れは、治りの遅延】です。

超音波を設備し、捻挫の治療が得意な先生に見てもらえれば、早期の回復は間違い無いでしょう。

リハビリ

捻挫のリハビリには、

という目的があります。

足首捻挫をすると

などの症状を感じる傾向です。

そのためのリハビリが必要となり、捻挫の回復の程度や治療・施術が必要となる問題を確認しながら対処し、治療や施術と並行して進められていきます。

捻挫のリハビリは主に次のような訓練があります。

加圧式トレーニングは固定中でも行え、早期の組織修復にはとても効果的です。

是非とも治療・施術と並行して行なっていただきたいことでもあります。

加圧式トレーニングについて詳しくはこちら。

加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?

捻挫の治療に関する疑問

ここからは捻挫の治療に関する疑問にお答えしていきたいと思います。

治療期間の目安は?

捻挫の治療期間はⅠ~Ⅲの程度によって目安が異なり、

捻挫の治療期間は、Ⅰ~Ⅲにかかわらず、早期の応急処置と治療・施術を受けられれば目安期間よりも短くなる傾向です。

病院による固定と湿布、通院間隔ではさらに長くかかるでしょう。

捻挫をして歩けるけど腫れていないのはなぜ?

捻挫をしても歩くことができ、腫れが見られないのは

などが挙げられます。

患部の状態は病院でも診ることはできますが、骨のアライメントや筋肉の防御反応による痛みは見過ごされるケースがほとんどです。

そのような時には見てもらう先生を早急に変更しましょう。

捻挫を早く治す食べ物は?

捻挫を早く治す食べ物は、

などがあります。

タンパク質、ビタミンC、コラーゲンは、靭帯を構成する栄養素となるため積極的に補うことで捻挫の回復にアプローチできるでしょう。

食べ物は身体を構成する大切な要素です。

健康に気を使う方はこちらをご覧ください。

健康に気を使う人必見!健康にいい食べ物に含まれている栄養素とは?

捻挫を早く治すマッサージがあるの?

捻挫をすると、捻挫をしてしまった時の衝撃に対して筋肉の防御反応により少しでも軽減しようと反射が起きます。

その反射がいつまでも残っている状態では、関節に余計な負荷をかけてしまうため、歩行を始めた段階には防御反応を解いてあげる必要があります。

そのための刺激としてマッサージが効果的です。

方法は、

終わった後、足首が軽くなり、同時につま先立ちや正座も楽になるでしょう。

継続して行なってみてください。

同時にトリガーポイントも知っていると、より効果的に行えるでしょう。

トリガーポイントとは?部位別の場所やマッサージのやり方もご紹介。

捻挫を早く治すつぼは?

捻挫を治すツボは、

があります。

これらのツボを痛気持ちいいと感じる程度の圧をかけて押すと、痛みや腫れの緩和につながるでしょう。

ツボといえば耳ツボダイエット」を想像した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらも合わせてご覧ください。

耳ツボダイエットの効果とメリット・デメリット。上手に行うために必要なこと

捻挫をして歩けるけど、仕事はいいの?

捻挫をして歩けるのは軽度の状態とも判断できるので、デスクワークなどの患部に負担がかからない仕事は問題がないと言えます。

身体を動かす仕事の場合は、動きによって患部に負担がかかるため、先生と相談して仕事量の調整をすることが良いでしょう。

ただ、午後や夕方になると腫れてくるなどのリスクも考えられるため、無理はしない方が無難です。

捻挫を1週間で治すには?

捻挫を1週間で治すためには

ができれば、1週間でほぼ支障なく生活できるようになるでしょう。

当院では施術のほか、酸素ルームや加圧式トレーニング、超音波によって通常よりも早く変化を感じていただけています。

骨に異状がない場合には、病院よりも接骨院・整骨院の方が早く良い変化を感じられるので、口コミの良い先生に罹られてはいかがでしょうか。

捻挫をして歩けるけど、くるぶしが痛いのは?

捻挫をして歩けるけどくるぶしが痛いのは、

などの原因が考えられます。

的確に判断し、施術を行えばすぐに解決する症状です。

歩き方を治すにはインソールの使用が最も簡単で効果的ですので、こちらの記事もご覧ください。

靴と足とインソールのお話。

【まとめ】捻挫について

本記事では捻挫の治療について、応急処置や保存療法の流れ、さまざまな疑問にお答えしてきました。

捻挫はつい我慢をして放置してしまう人も少なくありません。

痛みや腫れを悪化させないためにも、捻挫は気づいた時点で早期のRICE処置、治療や施術を受けていただければと思います


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