頚椎捻挫(首の捻挫)について。原因や症状、治し方をわかりやすく解説します


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捻挫は足首や手の指のイメージがありますが、首も捻挫が起こりやすい関節のひとつです。

今回は頚椎捻挫(首の捻挫)について、主な原因や症状、さまざまな疑問にわかりやすくお答えしていきたいと思います。

そもそも「捻挫とは」?についてはこちらをご覧ください。

捻挫とは?状態や症状、治療法や疑問にお答えします。

院長:伊藤良太
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頚椎捻挫(首の捻挫)について

頚椎捻挫(首の捻挫)とは首に何らかの衝撃が加わり、頚椎を構成している靭帯や周りの組織を痛めてしまい、痛みや動きの制限、じっとしていても痛さや重みを感じる捻挫のことを言います。

原因や症状、診断など詳しく見ていきましょう。

頚椎捻挫(首の捻挫)の 原因

頚椎捻挫(首の捻挫)の原因には大きく分けて二つあります。

どのようなことが原因で起きるのでしょうか。

交通事故

首の捻挫で最も起きやすい原因は、交通事故です。

いわゆるムチ打ちですが、頚椎捻挫は医療用語、ムチ打ちは俗称とご理解ください。

車に乗っている際に後方から衝突されるなどの交通事故では、事故の瞬間の衝撃が首に加わることで、首の関節や周辺の筋肉、組織を損傷して症状が出ます。

事故の瞬間に加わる力に首も対応しようとするのですが、神経の反応と事故の衝撃が首に伝わるまでの時間が間に合わないため、首がしなってしまい症状につながるのです。

例え時速10キロでも、不意打ちで後方より追突されると頚椎捻挫(首の捻挫)は起き、何かしらの症状が出るでしょう。

不意打ちで後方から衝撃を受けるのと、身構えて衝撃を受けるのでは雲泥の差となって症状は現れるのです。

ムチ打ちについて詳しくはこちらをご覧ください。

ムチ打ちになるのは事故だけではない!日常生活に潜む危険とは!?

スポーツ

スポーツ時の激しい接触によっても頚椎捻挫(首の捻挫)は起きます。

起きやすい場面では、上半身や肩に加わった衝撃が首に伝わり症状が出ます

ただ、交通事故による衝撃の加わり方が違うため、靭帯や周りの組織を損傷するのではなく、首を固定している筋肉が防御反応を起こして痛みが出ると考えてよいでしょう。

接触するスポーツ、

  • ラグビー
  • アメリカンフットボール
  • サッカー

などの競技に多く頚椎捻挫(首の捻挫)は起きやすい傾向です。

転倒

首の捻挫は日常生活でも起きうるもので

頚椎捻挫(首の捻挫)の症状

頚椎捻挫(首の捻挫)の症状は受傷後すぐに痛みが出るケースと、数時間・数日経過してから症状が出るケースがあります。

時間の経過で症状が出てしまう原因についてはこちらをご覧ください。

筋肉痛になってしまう原理と症状や改善方法とは?

頚椎捻挫(首の捻挫)の症状には主に、

などが代表的です。

首には多くの筋肉や神経、細い血管存在し、自律神経の働きを司る部位でもあるため、捻挫を生じるとめまいや耳鳴り、手のしびれ、全身の倦怠感などの症状が出ることも。

首が原因による頭痛に対しての関連記事はこちら。

ムチ打ちによる頭痛の原因と早く治すために出来るセルフ施術とは?

頚椎捻挫(首の捻挫)の診断

頚椎捻挫(首の捻挫)の診断は受傷の状態や自覚症状を確認してから、レントゲン検査を行うことが一般的で、画像にて頚椎の骨折の有無の確認するでしょう。

レントゲンによる診断では椎間板や靭帯などの組織が見られないため、症状によってはMRIやCT検査となります。

ただほとんどの場合において、レントゲンのみで検査・診断となるのが一般的です。

頚椎捻挫(首の捻挫)の治し方

頚椎捻挫(首の捻挫)の治し方について見ていきましょう

受傷から2週間(急性期)

頚椎捻挫(首の捻挫)を起こしたその日〜2週間までは、症状が日ごとに強くなっていく傾向があるため、安静が一番です。

頚椎カラーによる固定やテーピング、湿布などで炎症を抑え、筋肉の負担も最小限にしましょう。

マッサージはお勧めできませんし、例え張り感があったとしても時間制のマッサージは受けない方が賢明です。

2週間〜3ヶ月(回復期)

症状が落ち着き始め、痛みはありながらも動かせるようになるこの時期は、動かせる範囲で動かし始めます。

【痛みがある=動かさない方が良い】の時期ではありません。

この時期に動かさないと首の関節や筋肉の動きも悪くなり、痛みも長く続くことになります。

自己判断はお勧めできませんので、先生と共に進めていきましょう。

そして自力で首を動かすことに加えて、自分の手を使って首の動きを取り戻しましょう。

ただ、勢いに任せて首を動かすと寝違いと同じ状態になってしまうので、ゆっくり動かすようにしてください。

同時に姿勢などの改善に努めると首への負担軽減となり、変化も早くなります。

3ヶ月以降(慢性期)

慢性期と言われる3ヶ月以上経過したものは、炎症もなく、筋肉や靭帯の修復も落ち着いた時期です(交通事故の場合は、一概には当てはまりません)

回復期よりも積極的に動かすようにしましょう。

回復期に痛みがあるからといって動かさないでいると、3ヶ月以上経過しても痛みが残ることも珍しくありません。

首の捻挫のストレッチ

頚椎捻挫(首の捻挫)をストレッチで軽減することは可能です。

ストレッチで楽になるケースは、

だけに限ります。

靭帯や椎間板、そのほかの組織を損傷している際と、下記の症状がある場合にはストレッチは行わないようにしましょう。

ではストレッチをご紹介します。

首から肩のストレッチ

ストレッチは痛みを感じながら行うと効果はありません。

そのため、必ず気持ちよさを感じるくらいで行いましょう。

ストレッチについて詳しくはこちら。

間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

首の後ろ側のストレッチ

頭には腕の重みで倒していくと力みもなく、行いやすいでしょう。

頚椎捻挫(首の捻挫)の治し方とは

頚椎捻挫(首の捻挫)の治し方は、症状によってアプローチ方法が異なります。

ここでは軽度と重度の症状別の治し方を見ていきましょう。

軽度の場合

頚椎捻挫(首の捻挫)が軽度の場合は、痛くても動かせるくらいの症状ですので、日常生活では首を過保護にしない程度に動かします。

湿布を貼るとしても長くて3日、それ以後は消炎鎮痛効果のある湿布は効果もなく、冷やすなどもせずに普段通り過ごしましょう。

同時にストレッチを行いながら様子を見て、加温による血行促進やリハビリに移行していきます。

同時に枕にも工夫をするとより早く首の症状は軽減していくでしょう。

詳しくはこちら。

ストレートネックで頭痛や自律神経症状、しびれが出たら枕とタオルで解消!

重度の場合

頚椎捻挫(首の捻挫)による激しい痛みが生じている場合は、痛み止めの処方や首に巻き付けて使うタイプのコルセットを使用すると楽に過ごすことができるでしょう。

重度の頚椎捻挫(首の捻挫)になると数日間はコルセットで首を保護し、その後は症状と状態を見ながら徐々に動かしていきます。

痛みがあるため動かさない期間が長くなると筋肉も硬直して、思うように動かせなくなりますので、その際には自分の手を使って首を動かしてあげると再び動きやすくなるでしょう。

長期にわたって痛みや炎症が続くと予測された場合は、薬物療法や理学療法と並行して、ブロック療法を行うことがあり、様子を見ながらリハビリに移行していくことが一般的な流れになります。

リハビリの方法や内容についてはこちら。

リハビリの目的や分野とは?意味あるものにするためのポイントを解説!

首の捻挫の疑問集

続いては、頚椎捻挫(首の捻挫)に関するさまざまな疑問集にお答えしていきたいと思います

頚椎捻挫(首の捻挫)と寝違えとの違いは?

頚椎捻挫(首の捻挫)と寝違えは、原因や症状、受傷してから治るまでの期間に大きな違いがあり、

頚椎捻挫(首の捻挫)の場合は強い痛みや場合によってはしびれを伴い、寝違えよりも症状が重い傾向にあります。

逆に寝違えの場合は筋肉的な原因が主で、放置していても日数を追うごとに症状が軽減していくでしょう。

ただ、寝違えだからといって放置はお勧めしません…。

寝違えについてはこちら。

寝違いの原因とは?セルフで出来る対処法と寝違えた時の寝方を紹介!

頚椎捻挫(首の捻挫)が治るまでの期間は?

頚椎捻挫(首の捻挫)が治るまでの期間は症状の程度により様々で、早期の診断や施術、適切な安静期間を維持しているか、または適切な治療・施術を受けているかにもよります。

頚椎捻挫(首の捻挫)が重度で、コルセットで固定、痛み止めの薬の服用、そして湿布や電気を当てているだけでは完治までに3ヶ月以上かかることも珍しくありません。

症状に変化がないと思ったら先生に相談してみましょう。

頚椎捻挫(首の捻挫)に後遺症ってあるの?

頚椎捻挫(首の捻挫)による後遺症は、次のような症状が長期にわたって続くケースがあります。

病院にだけ通い続けると同じ治療法になってしまうため、上記の症状が残りやすいでしょう。

【症状は変わらないのに、同じことをまだ続けますか?】

一度、冷静になって立ち止まってみましょう。

頚椎捻挫(首の捻挫)の症状が悪化するとどうなるの?

頚椎捻挫(首の捻挫)の症状が悪化すると自律神経にまで影響を及ぼし

などの症状が一時的に強く出るでしょう。

場合によっては後遺症として残ることもあるため、首の捻挫はとても怖い捻挫でもあるのです。

【まとめ】頚椎捻挫(首の捻挫)について

本記事では頚椎捻挫(首の捻挫)について、原因や症状、治し方をお伝えしてきました。

頚椎捻挫(首の捻挫)は受傷後すぐに痛みが出ないケースも多く、時間お経過とともに症状がで始めるため、治療・施術の開始が遅くなるのもよくあることです。

スポーツ時や交通事故で大きな衝撃を首に受けた際には、早めに治療や施術を受けていただければと思います。


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