手の甲が痛い原因とは?場所別にみるケガや病気、対処法と疑問に回答!


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手の甲(手首や指)は毎日日常的に酷使する部位でもあるので、使用頻度も多く、何かと不具合を抱えやすいところでもあり、しかも日常的によく使うため痛みが引きにくいのも特徴の一つです。

そして痛みが長引いてる場合は、日常生活に支障をきたすほどの深刻な病気やケガが隠れている可能性もあります。

ここでは手の甲が痛い原因や、痛みのある場所別に考えられる病気やケガ、対処法や疑問をわかりやすくお伝えしていきたいと思います。 

院長:伊藤良太
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手の甲で痛い場所

手の甲で痛い場所別にそれぞれ見ていきましょう。

手の甲の痛みは痛む場所によって考えられる病気やケガ、それぞれの症状が異なるため、適切な対処によっては劇的に症状が軽減する例も少なくありません。

真ん中

手の甲の真ん中に痛みが出ている場合は、手関節捻挫の可能性が考えれます。

手関節捻挫とは、

などが主な原因となり、靭帯をはじめとした手関節まわりの組織が損傷した状態です。

手関節捻挫は、疼痛や皮下出血、皮膚の晴れなどの症状が出やすいため、自身でも比較的気づきやすいケガと言えるでしょう。

手関節捻挫について詳しくはこちらをご覧ください。

手首の捻挫は接・整骨院へ!完治までの期間と治らない理由を徹底解説!

親指側

手の甲の親指側に痛みが出ている場合は、ドケルバン病の可能性が考えられます。

ドケルバン病は、

などが原因によって、親指を包んでいる腱鞘との間に炎症が起こる怪我のことを言います

ドケルバン病は手の甲の親指側に痛みは腫れが出やすく、親指を曲げる・広げる動きをすると手首にまで痛みが広がることがあります。

ドケルバン病についてはこちら。

腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること

小指側

手の甲の小指側に痛みが出ている場合は、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)の可能性があります。

TFCC損傷とは、

手首に衝撃や捻りの力が加わって、TFCCの構造が傷つくことによって損傷します。
転倒や衝突、スポーツ中の怪我、交通事故などによって生じます。
損傷の背景に、加齢による変性や、生まれつき橈骨よりも尺骨の方が長いことによって、TFCCが傷つきやすい素因があって損傷することがあります。また、スポーツや仕事でのオーバーユース(使いすぎ)によって、1回の大きな外傷ではなく、繰り返しの外力によって損傷するようなこともあります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷):ZAMST

    症状としては、腕をひねったり手首を小指の方へ曲げた際に痛みが強く出ます。

    手の甲が痛い原因とは

    手の甲が痛い原因には、骨折や打撲、腱鞘炎やリウマチなどの重大な病気が隠されている可能性も。

    ここでは手の甲が痛い原因となる、主なケガや病気について見ていきましょう。

    骨折

    手の甲の痛みの原因となる骨折は、中手骨骨折が考えられます。

    中手骨骨折は硬いものや重さのあるものが手の甲に強く当たったり、手を着く、またはパンチの衝撃などが原因です。

    中手骨骨折が生じると、

    などの症状が出やすくなります。

    中手骨骨折の一つである「ボクサー骨折」について詳しくはこちらをご覧ください。

    ボクサー骨折とは?原因や症状、よくある疑問アレコレにお答えします!

    打撲

    手の甲の打撲は、転倒や硬いものにぶつかった際に起こりやすく、内出血とともに皮膚が紫色に変わっていく症状が見られます。

    手の甲の打撲は指を動かせることがほとんどのため、動かせないほどの痛みとなる骨折との見分けが比較的しやすいかもしれません。

    ただ、症状だけで打撲と骨折を判断すると、症状が長期化することも珍しくありません。

    きちんと両者を見分けて処置をすべきです。

    打撲と骨折の見分け方についてはこちら。

    打撲と骨折の見分け方とは?見た目や症状の違い、部位別の見分け方をご紹介

    打撲について詳しくはこちら。

    打撲とは?原因と症状、一般的な治療法や早く治す方法をお伝えします。

    腱鞘炎

    腱鞘炎は、手首の親指側に通っている腱が炎症を起こした状態のことを言い、指の使い過ぎや生まれつきの手首の構造によっても生じると言われています。

    腱鞘炎は手が小指側に引っ張られると痛みが強くなり、妊婦や授乳中の女性、更年期の女性に起こりやすい傾向があります。

    女性に多く、長期化しやすい原因についてもこちらをご覧ください。

    腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること

    リウマチ

    手の甲が痛い原因のひとつとなるリウマチは、

    といった症状が現れ、リウマチは特に、朝起きた際に手や手首、指が動かしにくくなり、時間の経過とともに動かしやすくなる特徴があります。

    そのため、一時的な疲労や関節のこわばりだと判断し、この病気になかなか気づけないケースも珍しくはありません。

    毎朝指の強張り感を感じる際には、整形外科で血液検査を受けることをお勧めします。

    手の甲が痛い時の対処法

    手の甲が痛い時の対処法を知っていれば、感じている症状や不安を軽減できるでしょう。

    手の甲の痛みを早めに緩和していくため、ここでは痛みの状態に応じた対処法をお伝えしてみたいと思います

    ズキズキ痛い

    手の甲がズキズキと痛み、皮膚に熱感がある場合は炎症が起きている可能性があります。

    そのため、氷水で冷やしたタオルや氷のう、アイスパックなどで患部を冷やし、無理に動かさないようテーピングや包帯などで固定をしましょう。

    アイシングと固定をすることで血流が緩やかになり、痛みや内出血、炎症の抑制にアプローチできます。

    アイシングの方法についてはこちら。

    アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点

    動かすと痛い

    手を動かすと痛みがある場合は、包帯やテーピングを使って患部を固定しましょう。

    固定をすることで患部の安静を維持でき、痛みの原因である炎症の軽減や関節の動きを制限できます。

    炎症による痛みは固定によってかなり軽減でき、最も簡単で効果的な対処法と言えるでしょう。

    炎症による痛みの代表的なものは「足首の捻挫」です。

    足首捻挫に関する記事はこちら。

    足首捻挫が治らないのは後遺症かも!?リハビリとセルフチェック方法

    足首の腫れの原因と早く治す方法とは?柔道整復師が詳しく解説します

    こわばる感覚

    手の甲にこわばる感覚があり、いつものように動かしずらいと感じた場合は、入浴やホッカイロ、温感シップを使って温めると良いでしょう。

    こわばりのある手首を温めると血行が促進し、こわばりの原因となる炎症物質が流れ、痛みや動かしにくい感覚を軽減されていきます。

    「動きにくい、動かしにくい、固い」などの時には温めて対処しましょう。

    「手の甲が痛い」に関する疑問集

    続いては、「手の甲が痛い」に関する疑問集にお答えしていきたいと思います。

    手を着くと痛いのはなぜ?

    手を着くと痛みが出るのは、打撲や捻挫、骨折、このほか手根管症候群の可能性があるでしょう。

    手を着くと荷重が手の甲にかかるため、組織に何らかの異状があると痛みを感じやすくなります。

    同時に腫れや熱感があれば打撲や捻挫、骨折が疑われ、手を着いた際に指の痛みや手全体の痛みを感じる場合には手根管症候群かもしれません。

    自己判断せず、先生に見てもらいましょう。

    手の甲が痛いのは腱鞘炎?それとも血管のせい?

    手を酷使する作業やスポーツが日常になっている場合は、腱鞘炎の可能性があるでしょう。

    手の甲の痛みが血管の影響を受けている場合は、バージャー病(閉塞性血栓血管炎)の可能性があります。

    バージャー病は、手の動脈の壁に炎症が生じ、血管が細くなったり血栓ができてしまうことで血管が詰まり、手の甲の痛みが出やすくなります。

    血管外科の先生に診てもらいましょう。

    腱鞘炎についてはこちら。

    腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること

    手をグーにすると痛いのはなぜ?

    手をグーにすると痛いのは、

    の可能性が考えられます。

    腱鞘炎は女性や高齢者に多い傾向にあり、リウマチは30~40代の女性に多いと言われていますが、共に診断は比較的容易ですので、我慢しないで適切な治療・施術を受けると早期に楽になるでしょう。

    【まとめ】手の甲が痛いについて

    本記事では手の甲が痛い原因、考えられるケガや病気、痛みの状態に合わせた対処法などについてお伝えしてきました。

    手の甲の痛みの放置は症状が悪化し、手術や入院などのリスクが高まってしまうこともあるので、普段とは違う痛み・感覚に気づいた時点で治療・施術を受けていただければと幸いです。


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