膝をつくと痛いについて。部位別に考えられるケガや障害を解説。


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膝をついて痛みや違和感を感じた場合は、膝に何らかの疾患やケガが生じている可能性があるかもしれません。

ここでは「膝をつくと痛い」について、部位別に考えられるケガや障害、痛みに関するさまざまな疑問にお答えしていきたいと思います。

院長:伊藤良太
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膝をつくと痛い場所はどこ?

膝をつくと痛い場所はどこなのか?

その部位によって生じているケガや障害の判断がしやすくなります

ここでは膝をつくと痛い場所別に考えられるケガや障害を見ていきましょう。

ついたところが痛い

膝をついた部位に痛みを感じる場合は、「打撲」と「後十字靭帯損傷」の可能性が考えられるかもしれません。

打撲はその部位がぶつけたりして組織が損傷しているため、刺激を与えると痛みを感じるのです。

後十字靭帯損傷では、交通事故や転倒、スポーツ時に膝に強い衝撃が加わることが原因で起こり、膝をついた際に痛みが出るとも言われています。

打撲について詳しくはこちら。

打撲とは?原因と症状、一般的な治療法や早く治す方法をお伝えします。

ついていない内側や外側が痛い

膝をついた体勢で、膝をついていない内側や外側に痛みがある場合は、

の可能性が考えられるかもしれません。

膝の内側に痛みが出る変形性関節症は、関節の隙間であり関節裂隙(れつげき)が狭くなって痛みを感じ、主に50代以降の女性に多い傾向です。

膝の外側が痛む外側半月板損傷とは、膝関節にかかる荷重と負荷を分散させる半月板に、亀裂や損傷が起こって膝の外側に痛みを感じます。

半月板目立った外傷がなく、衝撃を受けていなかったとしてもこの部位は加齢によってもろくなるため、ささいなきっかけでも外側の膝に痛みが出ることがあるのです

変形性膝関節症についてはこちら。

変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト

お皿の下

膝をつくと膝のお皿の下に痛みを感じる場合は、「オスグッド・シュラッター病」と「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」、「膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)」の可能性が考えられます。

膝の下の痛みで代表的なのがオスグッド・シュラッター病です。

小学生の高学年から高校生まで起きやすく、膝のお皿の下に出っ張りと痛みを伴い、膝をつくと激痛になることも。

適切な対処をすれば早期に症状は軽減します。

詳しくはこちら。

オスグッドの症状は放置せず冷やしてストレッチで治療期間を短く!

ちなみにオスグッド・シュラッター病は成長痛ではありません。

こちらをご覧ください。

成長痛の見分け方をご紹介!正しい知識と対処で上手に乗り越えよう!

そして膝蓋靱帯炎はスポーツをする人や階段の上り下りが多い職種の人に多い傾向にあり、繰り返しの屈伸などで膝蓋靱帯に負担がかかり膝の下に痛みが出やすくなります。

通称「ジャンパーズ膝」と言われるスポーツ障害です。

膝蓋靭帯炎について詳しくはこちら。

ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説

膝蓋下脂肪体炎は膝のお皿の下ではありますが、症状があるのは「少し膝の中(奥)」という表現をするのが特徴的です。

安静とストレッチで軽減していきますが、それでも変化のない場合には注射での治療になるでしょう。

原因は過度なスポーツや肥満、打撲によって発症します。

「膝をつくと痛い」で考えられる疾患

「膝をつくと痛い」のは、他にもさまざまな疾患やケガの可能性が考えられます。

ここでは膝をついた体勢で痛みがあった場合に考慮しておきたいケガと障害、それぞれの原因や症状について見ていきましょう。

打撲

膝を強打してから膝をつくと痛みが出るようになった場合は、膝の打撲の可能性が考えられます。

膝の打撲には、

などの症状があり、打撲直後は膝の曲げ伸ばしが困難になったりしますが、時間の経過とともに関節運動は可能になるため、打撲に気づけないケースも少なくありません。

特に仕事中にぶつけたケースでは、打撲したことに気づかず、何かの拍子に痛みや内出血に気づくこともあります。

打撲の治し方はこちら。

自分で早く治す!打撲の対処法とセルフケアの方法をお伝えします!

半月板損傷

膝関節には外側半月・内側半月が存在し、特に内側半月はコンタクトスポーツによって衝撃を受けやすい部位です。

半月板損傷は膝をついた際に内側に体重が乗りやすいこともあり、主に膝の内側に痛みを感じやすくなります。

半月板損傷のリハビリについてはこちら。

半月板損傷のリハビリとは。原因や症状を詳しく解説します。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝をつく・曲げるといった動作で痛みが出やすく、膝関節の酷使や過度な荷重の繰り返しが主な原因で、そのほかにも靭帯や半月板の損傷、膝蓋下脂肪体炎がきっかけで生じる障害です。

変形性膝関節症は初めのうちはある動作で痛みを感じる程度ですが、進行すると変形して下肢全体がO脚傾向に変わることも。

進行させない方法を知っておくと将来、膝の痛みで困ることもないでしょう。

詳しくはこちらをご覧ください。

変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果

滑液包炎

膝の滑液包炎とは、膝関節の動きを助ける役割のある滑液包(かつえきほう)に炎症が生じた障害です。

滑液包は構造物表面の摩擦を軽減する役割を持つ組織のため、炎症が起こると膝の些細な動きでもしびれるような痛みが出やすくなります。

滑液包炎について詳しくはこちら。

滑液包炎とは?症状や原因、起きやすい部位のなどの疑問にお答えします

オスグッド・シュラッター病

成長期の子どもが膝をついたときに痛みを訴えた場合は、オスグッド・シュラッター病の可能性が大きいでしょう。

オスグッド・シュラッター病は、骨の成長に筋肉の成長が追い付いていない状態のことをいい、スポーツを過度に行うことが主な原因で、下肢全体に負担がかかり膝の痛みが出やすくなります。

成長期の子どもの膝関節は、大人に比べるとやわらかいため、オスグッド・シュラッター病では膝が過度に刺激を受けてしまって熱感や腫れを併発することがよくあります。

関連記事はこちら。

オスグッドが治らない理由は?オスグッドに関する疑問にお答えします!

膝蓋靱帯炎

膝蓋靱帯炎は膝のお皿の部分の骨にスポーツや繰り返しの動作などによって負荷がかかり、損傷や炎症を生じたスポーツ障害です。

軽度であれば運動後に痛みが出やすく、重度の場合は痛みが消失しないため運動ができなくなるなるでしょう。

詳しくはこちら

ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説

神経痛

膝だけでなく皮膚の表面には「温覚・冷覚・痛覚・触覚・圧覚」を感じる神経があり、膝をつくなどで痛覚に局所で刺激が入ると(俗に言う当たりどころが悪いと)激痛を感じることがあります。

これは神経の異常ではなく、局所で刺激が入ったために一瞬で強い痛みを感じるのです。

神経の異常ではないので数日間、膝をつかないでいるといつの間にか痛みも感じなくなってなるでしょう。

関節炎

膝の関節炎は、膝関節がさまざまな原因によって炎症を起こした症状です。

膝の関節炎が生じると、炎症反応により痛みや腫れが出やすくなります。

膝の関節炎は膝を捻ったり、変形性膝関節症、靭帯や半月板の損傷などが原因で起きるでしょう。

関節炎についてはこちら。

関節炎の原因と症状を徹底解説!早期の症状改善のためにできることとは?

「膝をつくと痛い」に関する疑問集

続いては「膝をつくと痛い」に関するさまざまな疑問集にお答えしていきます。

電気が走るのはなぜ?

膝をつくと電気が走るような痛みを感じた場合は、「膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)」の可能性があります。

膝の関節にある膝蓋下脂肪体に炎症が生じた症状のことをいう膝蓋下脂肪体炎は、膝をつくと膝の前面やお皿の下や中(奥)に電気が走るような痛みが出やすくなります。

    そのほか、痛覚に局所的に刺激が入った際にも、電気が走るような痛みを感じるでしょう。

    20代でも起きるの?

    膝をつくと痛むのは高齢者に起こるイメージが一般的ですが、20代でも起きます。

    20代で膝をつくと痛い場合は、

    などが原因で、身体が不安定な時に現れる症状とも言えるでしょう。

    対処法は?

    膝をつくと痛い場合の対処法には次のような方法が効果的です。

    軽度であれば3日ほどで症状の軽減が見られますが、変化のない場合には先生に見てもらい、適切な対処をしてもらいましょう。

    自己判断はお勧めしません。

    ストレッチについてはこちらをご覧ください。

    間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

    【まとめ】膝をつくと痛いについて

    本記事では膝をつくと痛いについて、部位別に考えられるケガや疾患、さまざまな疑問にお答えしてきました。

    膝をつくと痛い状態はスポーツ障害が起きていたり、将来重症な疾患につながる可能性があります。

    膝をついた際に痛みや違和感を感じたらすぐに適切な施術や治療を受けるようにしましょう。


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