半月板損傷のリハビリとは。原因や症状を詳しく解説します。


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半月板損傷とは膝の中で衝撃を吸収する半月板が何らかの原因で損傷してしまったケガになります。

半月板は膝の中にある薄い軟骨組織で、内側と外側の両方にあり、膝の衝撃吸収を担っているのです。
(※写真は右膝です)

ここでは半月板損傷のリハビリ内容、原因や症状、治療法についてお伝えしていきます。

院長:伊藤良太
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半月板損傷について

半月板損傷は性別や年代にかかわらずに起こりえる重大なケガです。

半月板損傷について、ここでは主な原因や症状、治療法を見ていきましょう。

原因

半月板損傷は、サッカーやバスケットボールなどのスポーツシーンで起こりやすく、半月板に体重がかかった状態で、

  • 膝を捻る

ことが最も起きる原因です。

半月板損傷はスポーツ以外にも、加齢によって骨が弱くなっている高齢者にも生じることが多くあり、日常生活では

など、日常生活の動きでも半月板損傷は起きてしまいます。

症状

半月板損傷の主な症状には、以下のようなものがあります。

などの症状を感じるでしょう。

時には腫れがないこともあったり、「特定の動きをしなければ特に何でもない」などのこともあり、見過ごされるケガでもあるのです。

「ずっと膝に違和感があった」「動くと痛かった」などの症状でMRIを撮ったら、『実は半月板を損傷していた』という例もこれまでありました。

程度によっては見た目でも、感じている症状でも特に支障がないケガという半月板損傷の一面も知っていただきたいと思います。

治療法

半月板損傷の治療法は事前にMRIにて検査を行い、そのケガの程度に合わせて保存療法または手術療法が選択されます

半月板損傷の保存療法は

場合に選択される治療法です。

半月板損傷の保存療法は、

などがあり、個人差や状態の違いはありますが、3ヶ月程度を目安に治療を行います。

半月板損傷における手術の適応は、膝が動かなくなるロッキング症状や、保存療法では回復が見込めなかった際に選択され、主な内容は、

などです。

私の考えでは、スポーツ選手に限っては

などの症状がある時には、手術を検討すべきと考えています。

なぜなら、半月板という組織は自然修復しないため、筋トレや保存療法を行なっても、スポーツの際に再び何かしらの症状が出てくるためです。

半月板損傷のリハビリとは

半月板損傷のリハビリにはいくつかの種類があり、その経過や内容は保存療法か手術かでも大きく変わります。

ここでは半月板損傷のリハビリ内容と、スタートする目安のタイミングについて見ていきましょう。

可動域制限

半月板損傷の可動域訓練によるリハビリは術後3週間程度を目安に行い始め、筋肉や関節周辺の組織を緩めて柔軟性を向上させる目的があります。

特にスポーツ選手では、膝の可動域が以前のように取り戻せないとパフォーマンス低下を招きますし、運動をしない方も日常生活に支障をきたすため、以前のように膝を曲げる、伸ばすを取り戻す必要があるのです。

頑張って行うと患部の炎症も起こしてしまうため、焦らずに最後まで行ってください。

ォーキング

ウォーキングのリハビリは保存療法・手術療法ともに翌日から行い、目的は、

となり、この中で最も大切なのが【歩き方を忘れないため】です。

固定をしていると関節の組織が固くなるのはもちろん、同時に筋肉を動かす神経系が衰えて、以前のような歩き方ができなくなります。

歩かない期間が長くなるほど、以前の歩行を取り戻すまでの期間もかかるため、できるだけ早く歩行訓練を始めた方が良いのです

「痛みがあるから、まだ歩くのは早い」のではなく、「痛みがあっても歩いた方が良い」の判断がとても需要というのも知っておいてほしいことでもあります。

筋力トレーニング

筋力トレーニングによるリハビリは、保存療法や術後にかかわらずに翌日から行われることが多く、膝のまわりの筋肉を強化する目的があります。

ただ行う筋力トレーニングというのも膝に体重をかけない、膝の下にタオルを入れたセッティングや膝をまっすぐに伸ばして足を持ち上げる下肢伸展拳上といった筋力トレーニングです。

セッテイングのトレーニング方法はこちらをご覧ください。

膝蓋骨骨折のリハビリとは。主な原因や症状、治療法についても解説。

筋力を早く取り戻す方法で最も良いトレーニング方法は「加圧式トレーニング」です。

詳しくはこちらをご覧ください。

加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?

バランストレーニング

バランストレーニングによるリハビリは、

より始めることが多く、身体のバランス感覚と細かい筋肉の調整能力を取り戻す目的があります。

先生やトレーナーの指示のもと行いましょう。

ジャンプ系トレーニング

ジャンプ系トレーニングのリハビリでは、保存療法・手術療法ともに状態をみて開始時期を判断します。

保存療法・手術ともに

などの症状がないことが最低条件です。

ジャンプ系トレーニングは、半月板損傷のリハビリにおいて最終的な負荷となります。

筋力を取り戻すまでには少し時間はかかりますが、地道に行っていきましょう。

半月板損傷のリハビリについての疑問集

半月板損傷のリハビリについての疑問集にもお答えしていきたいと思います。

早く治す方法は?

半月板損傷を早く治す方法は、

ことが重要です。

半月板は自然治癒しない組織ですので、状態に合わせた治療・リハビリの選択がとても大切なため、もし半月板損傷をしてしまった際には専門の先生にかかられた方が賢明でしょう。

半月板損傷は一生治らないの?

半月板損傷は痛みなどの症状は時間の経過とともに緩和する傾向ですが、半月板損傷そのものが自然治癒することは一般的にはありません。

半月板損傷自体は一生治らないことはないものの、半月板の損傷程度や実際に膝に感じる症状を照らし合わせて、練習量やリハビリを継続していく必要があります。

スポーツをしない場合には無理な負荷さえかからなければ、日常生活では支障なく過ごせるケースがほとんどです。

半月板損傷をしても手術をせずに競技を継続している場合には、再び大きな衝撃や膝への捻りが加わった際には損傷が大きくなることも認識しつつ競技を続けましょう。

早く筋肉をつける方法は?

半月板損傷をしてても症状の軽減を目指すためには、筋力を高めていくことが重要です

早く筋肉をつけるためには、

といった方法が有効です。

特に加圧トレーニングは筋力の回復・増強はもちろん、組織の修復にも大変効果的なので、是非とも行っていただきたいトレーニングでもあります。

加圧トレーニングについて詳しくはこちらをご覧ください。

加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?

リハビリで自転車はいいの?

半月板損傷のリハビリでは、エルゴメーターやリカンベントバイクといった、自転車を漕ぐ際の動きができる器具も用いられています

自転車によるリハビリは自重のみの負荷を膝周辺の筋肉へかけられ筋力アップはもちろん、膝関節への動的刺激にも大変効果的です。

ただ、転倒時のことを考えると、通学・通勤での自転車の使用は控えましょう。

手術しないで治療はできる?

半月板損傷において、手術なしで半月板を元に戻す方法はありません。

なかには半月板を損傷していても、何も症状のない方もいらっしゃいます。

ただ、何も症状がないという方は、スポーツをしない方に限ります。

スポーツをする方は半月板を損傷した際には、根本的な解決策として手術をした方が良いでしょう。

水がたまるのはなぜ?

半月板損傷にて水がたまるのは、膝の柔軟性を保つ役割のある滑膜が刺激を受け、正常に機能しなくなって分泌が過度になり、吸収できなくなることが主な原因です。

水は溜まるということは膝が正常に機能していないことを意味しますので、保存療法による対処の限界と言えるでしょう。

先生と次の治療法(手術)について相談してください。

【まとめ】半月板損傷のリハビリについて

本記事では半月板損傷のリハビリ、原因や症状についてお伝えしてきました。

半月板損傷は変形性膝関節症併発の原因になることがあります。

そのため半月板損傷をなった際には早めの治療やリハビリを受けましょう。


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