肋間筋ってどこにあって何をする筋肉?ストレッチや機能を詳しく解説!


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肺は空気の出し入れで伸びたり縮んだりするように思われがちですが、実際は肺自体が動いて呼吸運動をしているわけではなく、胸腔(きょうくう)が運動することによって、呼吸が行われています。

この胸腔の運動に関係しているのが呼吸筋で、腹式呼吸を担う横隔膜と、胸式呼吸を担う肋間筋の二種類があります。

横隔膜は比較的有名ですが、「肋間筋(ろっかんきん)」は聞いたことがない人も多いと思います。

この記事では、肋間筋について詳しく解説していきます。

院長:伊藤良太
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肋間筋とは

肋間筋とはどこにあって、何をする筋肉なのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

肋間筋のある場所

肋骨は胸部を覆う骨で、脊椎・胸骨とともに胸郭(きょうかく)を形成しています。

肋間筋の形は細長く弓状をしていて、胸椎から胸骨にかけて内臓を取り囲むように付いて、肋骨と肋骨の間についている薄い筋肉になります。

肋間筋の働き

外肋間筋と内肋間筋の二層から肋間筋と言われています。
※上記に見えているのは外肋間筋です。

肋間筋は、肋骨間の隙間を埋めて支えるだけでなく、肋骨を動かして肋骨の間にある胸腔を大きくしたり小さくしたりする、重要な役割をはたしています。

外肋間筋と内肋間筋は互いに斜めに交差しており、この筋肉によって私たちは効率よく呼吸できているのです。

外肋間筋と内肋間筋の違い

外肋間筋は、収縮して肋骨を引き上げ、胸郭を広げて息を吸い、内肋間筋は収縮して肋骨を引き下げて胸郭を狭めて息を吐きます。

吸って吐く、普段意識していない動きですが、全体として胸腔の伸縮を担っている大切な筋肉が肋間筋です。

もし、肋骨が痛いけど、押しても痛くない場合には肋間筋を痛めたと考えられ、吸っていたいなら外肋間筋を痛めた、吐いていたいのなら内肋間筋を痛めたと判断できます。

肋間筋損傷で出てくる症状

肋間筋損傷で出てくる症状としては、以下のようなものがあります。

  • 肋骨の間を押すと痛い
  • 寝返りをうつと痛みを感じる
  • くしゃみ、咳、深呼吸をすると痛みがある
  • 起き上がる時に痛む
  • 痛いところ周辺に腫れがある

肋間筋損傷は胸の損傷の中で最も多く発生する損傷で、肋骨と肋骨の間にある内・外肋間筋などの筋肉が肉離れすることで起こります。

肋間筋は呼吸するたびに動いてしまうため、サラシやバンドなどで固定して、なるべく安静に過ごしましょう。

息をするたびに痛むので、痛みが緩和するまでの数週間が長く感じるほど、日常生活に影響を与えるケースもあります。

肋骨を痛めたときの対処法についてはこちらをご覧ください。

肋骨骨折でも楽に過ごす方法をご紹介!寝方と起き上がり方のコツとは!?

肋間筋のストレッチ方法

肋間筋のストレッチ方法もお伝えします。

なぜストレッチが必要かというと、肋間筋は加齢によって柔軟性が落ちて硬くなり、空気を出し入れする力がだんだん落ちていくためです。

空気が身体の中に十分に入ってこなくなると、体はエネルギーをうまく生み出せなくなり、臓器の働きや代謝が低下してしまういます。

息を吸うための筋肉と息を吐くための筋肉は連携しながら息を出し入れしているため、意識をもって動かすようにしましょう。

自宅で簡単にできるストレッチですので、是非とも行ってみてくださいね。

腕を上げて開いて回す動きで、肋間筋だけでなく肩甲骨にもアプローチしていきます。

  1. 手の甲を内向きにして、人さし指と中指同士を合わせるような形で、腕を伸ばす
  2. 鼻から大きく息を吸って、ゆっくりと口から吐く。
  1. 肘が90度になる程度までぐっと下げ、鼻から吸って口から吐く。
  1. 胸を大きく開いて、深い呼吸がしやすい状態に導く。
  2. 両手を目の前に引き寄せ、手の甲を合わせる。
  3. 鼻から大きく吸って口から吐く。

それぞれを3回、毎日続けるのがオススメです。

また、

  • 普段から姿勢をよくする
  • 長く声を出したり、大きな声で歌う
  • 息を吐き切る習慣をつける

といったことも、肺や肋間筋を鍛える効果がありますので、行ってみてくださいね。

肋間筋を痛めてしまう原因

肋間筋は身体への直接の衝撃や打撃など、強い外力を受けたときに損傷してしまいます。

他にも、体を捻った際の反動などで痛めることも多く、ゴルフのスイングなどの捻る動作もそれに当たります。

プロ野球選手が肋間筋損傷で全治3週間と診断され、試合に欠場したこともありますが、バッティング動作の繰り返しが原因なのです。

また、長引く咳、大きなくしゃみでも痛めてしまうことがありますので、日常的にも起きやすい筋肉でもあります。

まとめ:肋間筋について正しく知ろう

あまり知られていない「肋間筋」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

呼吸をするのは当たり前のこととして慣れているので、意識して鍛えようという発想にはならないかもしれませんが、この筋肉のおかげで息ができていると知ると、感謝したくなりますよね。

肋間筋は、ほんの些細な動きやくしゃみなどで傷めてしまう場合もあるとお伝えしました。

過度な捻り動作をしすぎないように注意することも肋間筋を痛めない予防法と言えます。。

また、60代以上の人は、誤って食べ物が気道に入ってしまうことがありますが、呼吸筋がしっかり働いていれば、異物が気管に入ってもせきで吐き出せます。

日頃から肋骨と関わりのある部分のストレッチなどを行って、肋間筋を痛めることのないよう予防しておきましょう。


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