指の剥離骨折について。原因や対処法、さまざまな疑問に解答します


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指の剥離骨折は日常生活、スポーツ時とささいなきっかけでも生じ、誰にでも起こりやすい骨折のひとつです。

ここでは指の剥離骨折について原因や症状、一般的な治療法などを詳しくお伝えしていきたいと思います。

剥離骨折は足首にも起きやすい骨折です。

こちらも参考にご覧ください。

足首の剥離骨折で行うリハビリとは?早く治す方法と疑問にお答えします

院長:伊藤良太
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指の剥離骨折について

指の剥離骨折について症状や対処法、一般的な治療法と合わせて詳しく見ていきましょう。

原因

指の剥離骨折は、

  • スポーツ時にボールが当たるなどの衝撃を受ける
  • 事故や転倒による指への衝撃
  • 指を思いきり引っ張るような生活上、スポーツ時での動作
  • 指を硬いものにぶつけた際の衝撃

などで指が急激に曲がったり伸ばされたりした際に、指の関節に負荷が生じるて起こることが原因で、いわば「突き指」で起こるのがほとんどです。

突き指と骨折の見分け方も参考にご覧ください。

突き指と骨折の見分け方!症状の違いや治療期間の目安を解説。

症状

指の剥離骨折が起こると、

  • 受傷直後から腫れや痛みが出る
  • 指の曲げ伸ばしができない
  • 指の曲げ伸ばしをしようとすると痛みが強く出る
  • 内出血
  • ズキズキ、ジンジンとした痛み

などの症状が出ます。

また指の剥離骨折が中~重度の場合は、患部に触れても感覚が感じられない感覚障害の症状が出ることがあり、時には指が曲がった状態になっていることもあるでしょう。

骨折すると腫れ必ずと言って良いほど起きる症状です。

時には腫れが引かないことも…。

合わせてこちらもご覧ください。

骨折による腫れ。腫れが引かない原因と骨折後の経過、疑問にお答えします

対処法

指の剥離骨折の対処法は受傷後すぐの応急処置が必要です。

まずはケガの対処法として代表的な【RICE処置】をしましょう。

  • 添え木を剥離骨折した指の下に添えて固定する
  • 無理に動かさずに安定を保つ
  • 腫れ、痛みが著しい場合は氷などでアイシングをする
  • 剥離骨折した指を心臓よりも高い位置に挙げて安静を保つ

という方法が挙げられます。

指の剥離骨折が重度になると生じやすい、感覚障害の進行を防ぐためにも、早めの応急処置を行い先生に見てもらうことが重要です。

RICE処置について詳しくはこちら。

アイシングを効果的に行う方法とその注意点。

一般的な治療法

指の剥離骨折の治療は損傷の程度を見るためにレントゲンや超音波、C TやMRIで確認します。

指の剥離骨折が軽度の場合は、

  • シーネやギプスなどで患部を固定
  • 炎症を抑えたり痛みを和らげる内服薬の処方
  • 腫れ、痛みを抑えながら骨の癒合を促す電気治療や骨折治療器の使用

などの治療法が用いられるのが一般的です。

指の剥離骨折のずれや損傷が激しく、重度だと判断された場合はまれではあるものの手術が選択されるケースがあります。

気をつけなければいけないのは指先の剥離骨折で、適切な処置を行わないと一生伸びない指になるでしょう。

詳しくはこちらをご覧ください。

マレットフィンガーの症状とは?原因と治療法、よくある疑問にお答えします

リハビリの流れ

指の剥離骨折のリハビリは、

  • 保存療法と並行して行われる
  • 手術を受けた場合は術後数日で行われる

ことが一般的です。

リハビリ骨の成長を担う骨芽細胞の活性化を促したり、動きが制限された関節の可動域を拡げる目的があります。

指の剥離骨折のリハビリには、

  • 指を無理のない範囲で伸ばす
  • 手を開く、閉じる動きを繰り返すグーパー運動
  • ゴムボールを握る、握ってから弱めるリハビリ

などがあり、日常的に行えるリハビリですので、隙間時間を作って行いましょう。

指の剥離骨折についての疑問集

ここからは指の剥離骨折についての疑問集にお答えしていきます。

指の剥離骨折をしていても運動はしていいの?

指の剥離骨折をしていても、適切な固定と、動いても症状がなければ動いても構わないと私は患者さんに伝えています。

ただ、動くことで指に痛みが出たり、固定が緩むようなら運動は控えるべきです。

患部の運動については、骨の修復状態と症状、指の動く範囲を考慮して判断します。

急いで運動を行なって再度負傷、となると長い期間の固定が必要となるため、焦らずに治療とリハビリを進めていきましょう。

指の剥離骨折は全治何ヶ月かかるの?

指の剥離骨折は軽度の場合2週間程度から固定を外して日常生活でのリハビリを開始します。

日常生活で支障がなければ、スポーツに必要な動きや負荷を加えていく流れになるでしょう。

重度の剥離骨折では一ヶ月以上、マレットーフィンガーになってしまった場合、またはマレットフィンガーに気づくのが遅れた場合には、早くても二ヶ月以上から数ヶ月の期間を要します。

自己判断は決してしないほうが良いです。

指の剥離骨折は一週間で治るの?

ごく軽度の指の剥離骨折であれば、酸素ルーム超音波、栄養面の充実などで一週間で治る場合も決してないとも言えないでしょう。

一般的な治療である、固定と安静、湿布などの【治るまで待つ】ような治療では一週間で治ることはありません。

いかに積極的な治療が出来るかが、治るまでの期間を早めることを知っていただければ幸いです。

酸素ルームについてはこちら。

酸素ボックスとは?仕組みや効果、さまざまな疑問にお答えします

超音波についてはこちら。

骨折には超音波が良い!使用方法や効果的な理由、疑問集に解答。

指の剥離骨折の後遺症とは?

指の剥離骨折には、以下のような後遺症のリスクがあります。

  • 関節の動きが不安定になり指の動きに異状が生じる「動揺関節」
  • 指が本来のように動かない、曲げ伸ばしができない「可動域制限」
  • 疼痛やしびれが長期にわたって続く「神経障害」
  • 変形

後遺症は適切な処置を行えば、起こりにくいものですので、きちんと先生と一緒に治療・施術を進めていきましょう。

こちらも参考にご覧ください。

突き指して半年経つけど痛い、曲がらない、治らないその理由とは?

指の剥離骨折を早く治す方法とは?

指の剥離骨折を早く治すためには、以下の方法が有効です。

  • 患部の状態がゆるまないようにするための固定
  • 患部の血行を促す適切な刺激
  • 患部を休ませる適切な時間の安静
  • 骨折治癒における効果が臨床試験によって証明された超音波治療
  • 血流促進、損傷の修復、新陳代謝向上に働きかける酸素ルームの利用

待つ治療から、積極的なアプローチへ。

骨折を早く治す方法の全てはこちら。

手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます

指の剥離骨折がくっ付かないのはなぜ?

指の剥離骨折は剥がれてしまった骨片が元の位置に戻っていないとくっつきにくい、またはくっつきません。

この場合は再度MRIやCT、超音波を用いて患部の状態を見て、正しい固定のやり直しが必要です。

固定をしていても痛みがあるのは「患部の固定が適切ではない」と判断でき、そのような場合には骨片が元の位置に戻っていないとも判断できます。

痛みがある時には我慢せずに、先生に必ず伝えましょう。

指の剥離骨折後、曲がらないのはなぜ?

指の剥離骨折後に曲がらなくなるのは、

  • 固定期間が長かった
  • 変形治癒

が、考えられます。

固定期間が長い場合にはリハビリによって指が曲がるようになりますが、変形治癒では指は以前のように曲がらなくなる可能性があるでしょう。

指の剥離骨折のテーピングの巻き方を教えて

指の剥離骨折のテーピングの巻き方もお伝えしますが、マレットフィンガーの固定方法ではありませんのでご注意ください。
※中指を剥離骨折した指として、あくまでも簡易的なテーピングです。

  1. 指の間に挟む、ティッシュなどの柔らかい布などを用意
  2. 軽く指は曲げる(痛みがなくなる、または楽になる位置で)
  3. 伸びるテープで、隣の指とくっ付ける

指の間に挟むものは少し厚みがあるとクッション性が高くなり、痛みの軽減につながります。

使うテーピングは伸びるものでも伸びないものでも、とぢらでも構いません。

くれぐれも、キツく巻きすぎないようにだけ注意しましょう。

テーピングを上手に巻く方法についてはこちら。

テーピングの効果って?効果を最大限活かすための注意点と疑問アレコレ

【まとめ】指の剥離骨折について

本記事では指の剥離骨折について、原因や症状、治療法などをお伝えしてきました。

指を強くぶつけたり衝撃が加わった際に内出血が出たり、圧痛が続く場合は剥離骨折の可能性が否定できません。

お伝えしたような剥離骨折の症状に気づいたらすぐの応急処置をし、先生に見てもらうことを心がけていただければと思います。


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