変形性股関節症のリハビリについて。目的や内容、やってはいけないこととは?


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変形性股関節症はケガや長年蓄積された股関節への負担によって股関節の軟骨が変形・すり減り、痛みを生じる障害です。

変形性股関節症になると治療の一環として早期にリハビリがスタートしますが、どんな目的や方法があるのか気になることでしょう。

ここでは変形股関節症のリハビリについて目的や内容、やってはいけない注意点などをお伝えしていきます。

変形性股関節症について詳しくはこちら。

変形性股関節症の予防方法と症状が出てしまった時の対処法とは!?

院長:伊藤良太
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変形性股関節症のリハビリの目的

変形性股関節症のリハビリの目的について、さまざまな視点から見ていきましょう。

運動機能の低下予防

股関節は上半身と下半身をつなぐ重要な関節で、歩く、階段を登る、ズボンを履くなど日常的に使われる部位となります。

変形性股関節症になると股関節が持つ本来の運動機能が低下して、日常生活にも支障をきたすでしょう。

変形性股関節症のリハビリは、

  • 歩行
  • 立ち上がる
  • しゃがむ

といった日常的な股関節の動きを確保、または維持して運動機能の低下を予防する目的があります。

関節可動域の確保

変形性股関節症になると股関節の骨や軟骨の変形すり減りが見られるため、通常のように股関節まわりを動かすことが難しくなる、またはなりがちです。

変形性股関節症における可動域確保のリハビリは、変形やすり減りで動きが制限されてしまった関節を出来るだけ維持する目的があります。

変形性股関節症で可動域が制限されると、歩く・立つ・しゃがむといった日常の基本的な動作がうまくいかなくなるため、大変重要なリハビリと言えるでしょう。

変形性股関節症にお勧めのリハビリ

変形性股関節症にお勧めのリハビリについてお伝えしていきます。

お勧めのリハビリ方法とその理由も詳しく見ていきましょう。

水中ウォーキング

プールの中で行う水中ウォーキングは、変形性股関節症のリハビリ内容の中でも特に有効です。

その理由は、

  • リハビリ中のケガのリスクが限りなく低い
  • 股関節の負担軽減
  • 水圧による適度な負荷

水中ウォーキングでは水圧が筋肉や血管に対して、一般的な歩行よりも適度にかかることでちょうど良い負荷となります。

加えて水中ウォーキングでは、水の浮力によって普段のウォーキングよりも股関節への負荷が軽減するため、可動域が広がったり、陸上よりも股関節に負荷がかけられるようになる、といった利点もあるのです。

ウォーキング

ウォーキングは日常生活に支障なく過ごせる方が対象のリハビリです。

歩くことで痛みがある方は行わない方が良いでしょう。

ウォーキングは最も簡単で、いつでも行えて下半身に負荷をかけられるリハビリです。

「歩く」という人間本来の動きを失うと、精神的にも落ち込み、普段の生活にも支障をきたすことでしょう。

初めのうちは歩く時間を短く、速さも遅めにして、歩いた後に症状に変化がなければ時間を伸ばしたり、歩く速さを早くして調整してください。

加圧式トレーニング

加圧式トレーニングは、足や腕に専用のベルトをつけて一時的に血流を制限しながら筋トレやストレッチなどを行うトレーニング方法です。

加圧式トレーニングを行うと、ベルトによる加圧と除圧が繰り返されて血管が拡張し血流促進にアプローチできます。

血行が良くなるとダメージを受けた股関節の組織の再生・修復を促新陳代謝が活発になるため早期の回復が期待できるでしょう。

ただ、変形した組織は戻りませんのでお見知りおきください。

さらに加圧トレーニングは、損傷したダメージの再生・修復を助ける成長ホルモンの分泌がトレーニング後には200倍分泌するという研究結果も出ています。

加圧式トレーニングについてはこちら。

加圧トレーニングの効果とは?実は良いことだらけなのをご存知ですか?

筋トレ

変形性股関節症の筋トレは、筋力を維持、または少しでも増強し股関節への負荷軽減の目的があります。

変形性股関節症のリハビリでの筋トレの主な内容は

  • 股関節の曲げる・伸ばす動作
  • 股関節を外に広げる動作

が効果的です。

重りによる負荷をかけずに、加圧式トレーニングと合わせて行うと理想的でしょう。

ここで改めて筋肉の役割についても見ていきましょう。

筋肉は身体にとってどのような役割を担っているのか?※超重要なこと

ストレッチ

変形性股関節症でのリハビリの一つになるストレッチは、軟骨や骨の変形・すり減り、痛みによって制限された関節へのアプローチになります。

変形性股関節症で行うストレッチでは、痛みを我慢して行わないことが一番重要です。

痛みを感じると筋肉は緊張してしまうため、出来るだけリラックスして、気持ちよさを味わいながら行うようにしましょう。

ストレッチを上手に行う方法はこちら。

間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

変形性股関節症のリハビリでやってはいけないこと

変形性股関節症のリハビリでやってはいけないこともあります。

自己流のリハビリで股関節に負担をかけてしまうことがないよう、以下の点に注意しておきましょう。

  • 先生の指示を守らずに自分の判断で自己流のリハビリを行う
  • 決められた時間、期間でのリハビリをしていない
  • 股関節にかかる負担が強くなるスクワットやデッドリフトなどの筋トレ
  • 痛みや変形の進行原因となる正座やあぐら
  • 痛みを我慢しての運動やストレッチ

上記のことを行うと一気に症状が強くなるリスクがあるため、注意してください。

一度変形してしまった組織は二度と修復されませんので、慎重にリハビリは行うべきです。

強い痛みが出ないように気をつけましょう。

変形性股関節症はリハビリのみで手術しないで治すことは可能?

変形性股関節症のリハビリのみで、手術をせずに治すことは可能なのでしょうか?

変形性股関節症が初期段階の場合は、リハビリを含めた保存療法で回復することがほとんどでしょう。

ただ、

  • 変形性股関節症が重度の場合
  • 保存療法、リハビリでは効果が発揮されず回復が難しいと判断された場合

は、手術が必要になるケースがあります。

手術をせずに変形性股関節症の早期回復を目指すためにも、症状に気づいたら早めに先生にみてもらい、正しいリハビリを継続的に行うようにしましょう。

【まとめ】変形性股関節症のリハビリについて

本記事では変形性股関節症のリハビリについて、目的や内容を解説してきました。

変形性股関節症のリハビリは、痛みや動かしにくさといった症状を緩和・早期回復させる重要なメソッドです。

変形性股関節症のリハビリの目的と内容、やってはいけないことを把握して早期の回復を目指していきましょう。


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