肩を上げると痛いについて。原因や対処法、してはいけないこととは?


公開日:

肩を上げた時に痛みがあると、「一時的でいつか治るだろう」と楽観してしまうことがあるのではないでしょうか?

肩を上げると痛いのは、早めの施術や治療が必要な可能性が否定できません。

ここでは肩を上げると痛いについて、原因や対処法、してはいけないことやさまざまな疑問集にお答えしていきます。

院長:伊藤良太
疑問・質問は友達追加して無料にて受け付けております!
友だち追加




 

肩を上げると痛い原因

肩を上げると痛い原因には、下記のものが挙げられます。

腱板断裂

腱板断裂は特に60歳以上の男女に多く、腱板の老化や日常生活の無理な動きが原因で生じる傾向です。

腱板(青矢印)というのは肩を内側から支えている4つの筋肉がくっ付く腱で肩を上げる動作によって負荷がかかり、切れたり損傷してしまいます。

切れてしまうと眠れなくなるほどの痛み(夜間痛)や、肩を上げることはできるものの強い痛みが出るでしょう。

MRIやCTにてきちんと患部の状態確認する必要があります。

症状だけで判断できないのも腱板断裂の特徴も言えるでしょう。

夜間痛について詳しくはこちら。

五十肩(肩関節周囲炎)

五十肩(肩関節周囲炎)は、年齢を重ねたことによる肩関節の摩耗、肩を上げる動きの繰り返しによって関節包や腱板、肩峰下滑包液に負荷がかかり、肩を上げる以外にもズボンを上げるといったささいな動作でも痛みが出やすくなります。

「肩を上げると痛い」の代表的な疾患でしょう。

五十肩は適切に、早期に対処すれば長くはかからないことお見知り置きください。

ですが皆さん、「いつか治るだろう…」と数週間、中には数ヶ月放置というのも珍しくありません。

五十肩についてはこちら。

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群は、野球の投球動作や肩を上げる動作を頻繁に繰り返すことで、肩峰と腱板の間にある肩峰下滑包液(写真参照)や腱が骨にぶつかって強いダメージが加わり、

  • 肩を上げる動きの途中で強い痛みが生じる
  • 肩よりもさらに高い位置に上げた際に、痛みが強くなる

という症状が出やすくなります。

野球肩とも言われていて、詳しくはこちらもご覧ください。

インピンジメント症候群の原因と診断や治療法、対処法も詳しく解説!

肩を上げると痛い時の対処法

肩を上げると痛い時の対処法も見ていきましょう。

肩を上げた時のつらい痛みを早めに緩和するため、ここでは3つの対処法についてお伝えします。

ストレッチ

肩を上げると痛い時に考えられるのが筋肉の固さによるものです。

筋肉が固いと関節内の圧力が高まり、組織同士の摩擦を生じてしまいます。

そのためにも筋肉は常に柔らかい状態が理想的です。

背中、肩、腕のストレッチを気持ち良いくらいで行いましょう。

ストレッチをより効果的に行う方法はこちら。

セルフケア

肩を上げると痛いのは、日常生活のささいなクセが原因になることがあります。

肩まわりの負荷をできるだけ少なくしていくため、以下の習慣・セルフケアを行ってみてください。

  • 湯船に浸かる入浴や、蒸しタオルで首から肩を温めて血行を促す
  • 長時間同じ姿勢でいることを避ける
  • デスクワークは適宜休息をとってストレッチなどをしておく
  • セルフでマッサージを行う

原因のない痛みや症状は日常生活の中に隠れています。

そのほとんどは仕事や家事、テレビを見ている時や寝ている時の姿勢です。

今一度、ご自身の姿勢や環境を見直してみてはいかがでしょうか。

セルフでマッサージを行う際にはこちらの記事も参考にしてみてください。

筋肉痛への部位別マッサージ方法をご紹介。早期対処で早期回復!

先生に見てもらう

肩を上げると痛い時に先生に見てもらうタイミングとしては

  • 三日間同じ症状が続いている
  • 重苦しい症状がある
  • 激痛を感じる動きがある
  • 寝ている時に痛みで起きる(夜間痛)
  • ズキズキする痛みや熱感がある

三日間同じ痛みがある時点ですぐに先生に見てもらえれば、早期の症状軽減が望めますが、数ヶ月も経過したものでは原因が一つではなく複合的になっているケースもあり、日数が経過してしまう例も珍しくありません。

三日間くらいで行動を起こす方はほとんどいません。

そのような理由からも《肩の痛みは長引きやすい》という誤解を招く要因とも私は現場で強く感じています。

合わせてこちらもご覧ください。

五十肩が接・整骨院でも変化する理由とその治療方法とは?

肩を上げると痛い時にやってはいけないこと

続いて、肩を上げると痛い時にやってはいけないことをお伝えしていきます。

寝方

肩を上げた時に痛みがある場合は、痛い方の肩を下側にした寝方をしないようにしましょう。

肩をつぶす寝方

肩をつぶさない寝方

痛みのある肩を下にして眠ると、体重が肩にのしかかって、血流の抑制により新鮮な栄養と酸素の供給が減少し、老廃物が滞りやすくなり組織を固くしていまいます。

寝る時は肩甲骨をつけるように寝ましょう。

無理に動かす

肩を上げた時の痛みが出て間もない急性期に、肩や腕を無理に動かしてしまうと肩関節、腱板に強い負荷がかかって痛みが長期化してしまいます。

自己判断で肩や腕を無理に動かさないように気を付け、ストレッチや運動は先生の指示に従った内容で行いましょう。

勢いをつけたストレッチ

もし炎症による痛みや組織の癒着による場合は、勢いをつけた動きによって炎症がさらに悪化する可能性があります。

痛くても動かして良いのか、又は動かさない方が良い時期なのかの見極めはとても重要で、この見極めが難しいために、自己判断せずに先生に見てもらった方が良いのです。

安静によって早く楽になるのか、又は動かすことで楽になるのかは先生のアドバイスにお任せしましょう。

こちらの記事も参考にご覧ください。

間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

マッサージ

マッサージも炎症や癒着、または組織の損傷などを見極めた上で行いましょう。

ただ、筋肉が固いだけによる症状であればマッサージはとても効果的です。

当院でも筋肉を緩める施術により、一回で症状がなくなったケースもありました。

何が原因で、しかもどのようなアプローチをするかで症状の変化は大きく違います。

ここに自己判断しない方が良いということが一番お伝えしたいことでもあるのです。

関連記事としてこちらもご覧ください。

もみほぐしの効果と目的とは?マッサージとほかの施術との違いを解説

肩を上げると痛いについての疑問集

肩を上げると痛いについての疑問集に、わかりやすくお答えしていきます。

肩の付け根がズキズキ痛いのはなぜ?

肩の付け根がズキズキと痛いのは、

  • 肩関節の内部にある肩峰下滑液方包が炎症を起こした「肩峰下滑液包炎」
  • 肩内部の付け根にある腱板に石灰が沈着した「石灰沈着性腱板炎」
  • 腕を上げる、肘を曲げる動作を助ける上腕二頭筋に炎症が生じた「上腕二頭筋長頭腱炎」

の可能性があり、炎症が原因のため早期の治療や施術が必要になります。

ズキズキした痛みは普通起きる症状ではありませんので、早急に先生に見てもらいましょう。

肩を上げると痛いを一瞬で治す方法は?

「肩を上げると痛い」を一瞬で治す方法は「天宗(てんそう)」というツボを押すと良いでしょう。

ツボはとても効果はあると同時に、背中につく筋肉を緩めるポイントでもあります。

少しポイントを広く示しましたので、押しながら肩を上げてみましょう。

もし変化がなければ、少しづつ場所をずらして推してみてください。

肩の痛みを和らげる方法は?

肩の痛みを和らげためには、

  • 安静:炎症によるものや筋肉によるものに有効
  • 運動:筋肉の柔軟性や血行促進を促すため
  • ストレスを溜めない:ストレスや緊張で肩がこわばりやすくなるため
  • シャワーや湯船に浸かる、ホットタオルで温める:血液循環を促して痛みの原因物質の排出を助けるため

といった方法になるでしょう。

肩の痛みはがんもあり得る?

肩の痛みはがんの可能性が否定できません。

その理由は、がん細胞が血管やリンパ管を通ってさまざまな部位に転移することがあるためです。

がんによる肩こりの痛みは、日増しに痛みが強くなり、コリや痛みの場所が拡がっていくという特徴があります。

加えて冷や汗や周期的な痛みも特徴的です。

【まとめ】肩を上げると痛いについて

本記事では肩を上げると痛いについて、原因やセルフケアなどを解説してきました。

肩を上げると痛い時はお伝えしたケガや病気の可能性を考慮して、最適な治療施術や正しいセルフケアを行い、痛みの緩和にアプローチしていきましょう。


カテゴリ:
タグ:,,,,,,,,,,,,,



関連記事