手のひらが痛い原因とは?考えられる病気やケガ、痛みなど疑問に回答!


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手のひらの痛みは軽くぶつけた程度であれば、時間の経過とともに痛み緩和されることがほとんどですが、長引く痛みは何らかの深刻な病気・ケガが隠されている可能性があります。

ここでは手のひらが痛い原因と、病気やケガだと判断できる症状、痛みに関する疑問にわかりやすくお答えしていきたいと思います。

院長:伊藤良太
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手のひらが痛い原因

手のひらが痛い原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか

ここでは手のひらが痛い原因の主な病気やケガについて見ていきましょう。

手根管症候群

手根管症候群とは、手を動かすなどの運動や指先の感覚において重要な役割を持つ正中(せいちゅう)神経が圧迫され痛みやしびれが出る病気のことを言います。

手根管症候群は手首にある手根管と呼ばれる、トンネル状の形態をした部分があり、何らかの原因で圧迫されると正中神経や腱に負荷がかかり、手のひらの痛みにつながるのです。

手根管症候群について詳しくはこちらをご覧ください。

手根管症候群の治療は手術が最善?体験談からの読み解きと手術失敗のリスク

キーンベック病(月状骨軟化症)

キーンべック病(月状骨軟化症)とは、手首を構成している8つの骨のうちのひとつ、月状骨(げつじょうこつ)が何らかの原因で血流障害を起こし、骨の変形や軟化、通常の位置よりもずれたり潰されてしまう病気のことを言います。

月状骨はもともと血流が乏しい環境にあるため、手首を動かす作業・スポーツなどのちょっとしたきっかけでキーンペック病(月状骨軟化症)が生じ、手のひらの痛みや指の動かしにくさなどの症状が出やすくなるのです。

同じ手首にある舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨も、血流が乏しい骨でもあり、骨折をすると後遺症が残りやすいところでもあります。

詳しくはこちら。

舟状骨骨折について。原因や症状、治療法や早く治す方法を解説します

ガングリオン

ガングリオンとは

ガングリオンはなかにゼリー状の物質の詰まった腫瘤です。
典型的なものは手関節背側(甲側)に生じるガングリオンです。これは手関節の関節包(関節を包むふくろ)に繋がっています。
その他のガングリオンのできやすい場所としては、手首の母指(親指)側の掌側の関節包やばね指の生じる指の付け根の掌側の腱鞘のあるところです。
ガングリオン:日本整形外科学会

ガングリオンのしこりはその内容物の量によって大きさが異なり、30代前後の女性に多く見られる傾向にありますが手のひらに痛みが出たり出なかったりと個人差があるため、自身では気づきにくい病気と言えるでしょう。

三角繊維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)

三角繊維軟骨複合体損傷(TFCC)損傷とは、

によるものが原因となり、手首を構成している三角繊維軟骨複合体(さんかくせんいふくごうたい)という組織が損傷して発症します。

手関節捻挫とも呼ばれている三角繊維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)は、発症すると手のひらの痛み、手首を小指側に曲げると痛みが強くなります。

手首の捻挫についてはこちら。

手首の捻挫は接・整骨院へ!完治までの期間と治らない理由を徹底解説!   

腱鞘炎

腱鞘炎は、骨と筋肉をつないでいる腱を包み、腱がなめらかに動くように支える腱が、繰り返しの手首の酷使にとって腱鞘と擦れ合い炎症を起こした病気です。

腱鞘炎は、

の間で炎症が起こった状態となるため、手のひらやその側の親指、人差し指や中指の付け根に痛みが生じやすくなります。

腱鞘炎について詳しくはこちら。

腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること

打撲や骨折

手のひらを強くついたり事故やスポーツ活動などで手のひらに強い衝撃がかかった場合は、打撲や骨折による痛みの可能性があるでしょう。

打撲の場合は手のひらに腫れや痛み、皮下出血などが見られ、骨折の場合は、手のひらから甲にかけて腫れが生じ、痛みが強く手全体が動かしにくくなります。

手首の骨折についてはこちら。

コーレス骨折(橈骨遠位端骨折)とは?原因や症状、分類について解説。

手のひらの痛い場所で判断

ここでは手のひらの痛い場所で判断できる、病気やケガについて見ていきましょう。

小指側

手のひらの小指側に痛み、またはしびれが出ている場合は、肘部菅症候群の可能性が。

肘部菅症候群とは、肘から手のひら側の小指に向けて伸びる尺骨神経が、使い過ぎや腫瘍、骨の出っ張りなどが原因で圧迫を受け、手のひらの小指側が痛むようになります。

真ん中

手のひらの真ん中が痛い場合は、手根管症候群の可能性があるかもしれません。

手根管症候群は手の真ん中を走る正中神経が慢性的な圧迫を受けることで生じ、手のひらの真ん中にジンジン・ヒリヒリとした刺激を感じるような痛みが出やすくなります。

親指側(付け根)

手のひらの親指側(付け根)に痛みが出ている場合は、

が疑われます。

母指CM関節症は親指の付け根にあるCM関節(赤丸)という関節の軟骨がすり減り、炎症が起こって痛みを生じます。

母指CM関節症は加齢による変形や過去の脱臼や骨折、親指の関節の使い過ぎなどが原因になります。

ドケルバン病とは親指の付け根から指先に動かすと痛みを感じ、熱感や腫れなどを伴う障害です。

親指を酷使する主婦や作業員に多く発症します。

詳しくはこちらをご覧ください

腱鞘炎は安静だけでは治らない!?痛み改善と手術回避のためにできること

手のひらの痛みに関する疑問集

ここからは手のひらの痛みに関する、さまざまな疑問にお答えしていきたいと思います。

ズキズキ痛むのはなぜ?

手のひらがズキズキと痛む場合は、手根管症候群や脳卒中、糖尿病、首の病気の可能性が考えられます。

腫れや熱感、内出血を伴う場合には打撲や骨折が疑われますので、アイシングや固定をして先生に見てもらいましょう。

アイシングについてはこちら。

アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点

固定の大切さについてはこちら。

剥離骨折を早く治す方法をご紹介!大切なのは適切な固定と適度な刺激!

膨らみを押すと痛いのは?

手のひらの膨らみを押すと痛いのは、関節の腫れや変形によるものと考えられ、その中でも手首の捻挫や変形性関節症、腱鞘炎が疑われるでしょう。

手首の捻挫の場合、手をついたり転んだりなどが原因で起こるため、比較的容易に判断できますが、変形性関節症は時間の経過とともに徐々に変形していくため、気づいたときにはすでに変形が起きてしまっています。

変形性関節症についての関連記事はこちら。

指の変形性関節症とは?主な症状と原因、よくある疑問にお答えします

手のひらの膨らみを押し、手首を小指側に曲げると痛みが強くなる場合は、腱鞘炎の疑いがあるでしょう。

ヒリヒリ痛いのはなぜ?

手のひらがヒリヒリと痛い場合は、手足症候群の可能性があり、病態と症状は

などの特徴があり、手全体に色素沈着が生じるケースもあります。

 【まとめ】「手のひらが痛い」について

本記事では「手のひらが痛い」について、原因や痛みが出ている部位別のケガや病気、疑問にお答えしてきました。

手のひらの痛みは手の病気・ケガだと思っていたら実は全身や脳の病気だったということも決して珍しくはありません。

手の痛みがこれまでとは違った感覚で、長期的に続いていると感じた場合は、早期に治療や施術を受けるようにしましょう。


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