異所性骨化とは?状態や見分け方、治療法などをわかりやすく解説します。


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異所性骨化(いしょせいこつか)は、この病名からもイメージできる通り、本来では骨が存在しない筋や筋膜、靱帯や関節包などに骨ができてしまう病気のことを言います。

ここでは異所性骨化について、その状態や症状、治療や予防法などをわかりやすく解説していきたいと思います。

院長:伊藤良太
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異所性骨化について

異所性骨化について、ここでは状態や主な症状、見分け方や治療法をそれぞれ見ていきましょう。

状態

異所性骨化は本来であれば骨の組織が存在しないはずの部位に骨形成が起こるため、患部に不自然な皮膚の盛り上がりや変形、さらには本来であれば伸縮する筋肉や関節包が固くなるなどの状態が見られます。

症状

異所性骨化の主な症状には、

などが出てくるでしょう。

また異所性骨化にて筋肉に骨ができてしまった場合は、骨化性筋炎(こつかせいきんえん)となります。

打撲などが原因の異所性骨化の場合は、治るまでに時間がかかるでしょう。

骨化性筋炎打撲のしこりについてはこちらをご覧ください。

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見分け方(検査法)

異所性骨化の見分け方(検査)には、

などがあります。

見分け方(検査法)では、骨形成を反映する数値で判断したり、X線検査などの画像所見が行われるでしょう。

異所性骨化の画像所見では、レントゲンや超音波(エコー)を用い、骨化した部位のほか、神経、筋肉、腱などの状態を目視でで確認し、血液検査と合わせてより確実な診断が行われます。

治療法

異所性骨化の治療法には、軽度であれば痛みや熱感のある部位を包帯やテーピングで固定し、安静を維持し症状の軽減が見られるでしょう。

そして異所性骨化による炎症症状が落ち着いた後に運動療法に移行します。

異所性骨化は、

などの薬で治療を行うケースが多く、重度でない場合は外科的な治療はほとんど必要ないと言われています。

異所性骨化の早期の治療の場合は、およそ3ヶ月を目途に完治を目指し、数ヶ月かけて余分な骨が吸収され、運動は正常に近い程度に回復するため、予後も良好となるケースが多いでしょう。

ただ、異所性骨化が重症な場合は、余分な骨を取り除く手術が必要になるケースもあります。

テーピングに関する記事はこちら。

テーピングの効果って?効果を最大限活かすための注意点と疑問アレコレ

異所性骨化の禁忌(やってはいけないこと)

肘や足などの骨折後に生じやすい異所性骨化は、

などが禁忌とされています。

そして

なども異所性骨化のリスクを高め、加えて禁忌事項を行うと、症状の悪化や治るまでの期間が長くなってしまうでしょう。

後遺症の関連記事はこちら。

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異所性骨化の治療薬

異所性骨化の治療薬には、「ダイドロネル(一般名:エチドロン酸二ナトリウム)」があり、

などの効能が認められています。

異所性骨化の治療薬にはその他にも、炎症や痛みを抑制するステロイド、非ステロイド性鎮痛剤などが医師の判断で処方されることもあるでしょう。

異所性骨化のリハビリ

異所性骨化のリハビリには、身体の全体または一部分を動かしながら、症状の軽減・機能の回復を目指す「運動療法」を行います。

ただ異所性骨化のリハビリは過度な内容・長時間の訓練が悪化の原因になることもあるため、適切な内容と時間など、先生と相談しながら行いましょう。

異所性骨化を予防するには

異所性骨化を予防するには、ケガをしてしまった際に自己判断はせずに、先生に見てもらいながら治療・施術を進めていくことです。

「痛いけど生活できるから…」「このくらいの内出血なら…」などと軽視したために、異所性骨化に移行する例がないわけではありません。

同じ痛みが3日続くようならすぐに先生に見てもらいましょう。

そして、異所性骨化になってしまうのは打撲や骨折などのケガが原因とされているため、ケガを避けることが第二の予防策になります。

転倒や転落は、受け身の姿勢を取れずに身体のあらゆる部位にケガが生じるため、

などの対策を行っておくと異所性骨化の予防だけでなく、日常的にも身体が動きやすくなるため快適な生活を送れるでしょう。

異所性骨化が起こりやすい病気やけが

異所性骨化は、

などのケガによる組織の変性で生じることが多く、身体の部位にかかわらず生じる傾向です

特に強い打撲は異所性骨化になりやすいと言われています。

また異所性骨化は、日常生活を送る上でも起こりやすい、

などが原因になることも。

異所性骨化が起こりやすい病気には、

などもあり、さまざまな要因でなるのです。

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【まとめ】異所性骨化について

本記事では異所性骨化の症状や見分け方、予防法などについてお伝えしてきました。

足元が滑りやすいこの時期は転倒によってケガのリスクが増え、その先に起きてしまう異所性骨化が起きてしまうこともあるため、ケガを予防はもちろん、規則正しい生活や筋力をつけるための適度な運動も心がけていただければと思います。


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