骨化性筋炎とは?原因やメカニズム、予防法について解説します


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スポーツで相手の膝が太ももに入り、その後1週間以上経っても太ももの動きが悪かったり、痛みが長期化している場合は、骨化性筋炎(こっかせいきんえん)の可能性があるかもしれません。

太ももに強い衝撃を受けた(ももかん)後、その打撲に適切な処置をしないと骨化性筋炎へ移行してしまいます。

今回は骨化性筋炎がどのような障害なのか、原因やメカニズム、骨化性筋炎にならないための予防策をまとめてお伝えしていきます

ももかんについてはこちらをご覧ください。

ももかんって何?正式名称や原因と症状、対処法をわかりやすく解説!

院長:伊藤良太
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骨化性筋炎とは

まずは骨化性筋炎についてお伝えしていきます。

コンタクトスポーツでは誰でも起こりうる太ももの打撲。

その打撲に適切な処置をしないことで生じる骨化性筋炎は誰にでも起こり得る障害のひとつとなっているため、症状や原因を早めに理解しておくことが大切です。

ここでは、骨化性筋炎の原因やメカニズム、症状について見ていきましょう。

原因

骨化性筋炎は、主にコンタクトスポーツで起こることが多く、相手の膝が太ももに入って強い痛みを感じたり衝撃を受けても、

の4つのRICE処置や適切な処置を行わないために起こるものです

骨化性筋炎は、同じ部位に繰り返して衝撃を受けた際に発生することもあり、まれではあるものの、骨化性筋炎から肉離れに症状が悪化してしまうことも。

打撲は受傷後に適切な処置をすれば長引くことはありませんが「いつか治るだろう…」とそのままにしているとリスクは高まるばかりです。

RICE処置についてはこちらをご覧ください。

アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点

メカニズム 

骨化性筋炎のメカニズムは、まだまだ明確にされていない部分があるのも事実です

骨化性筋炎は、筋肉に炎症が起こることで骨の内部に存在しているカルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって、筋肉の組織の中に骨が形成されてしまいます。

骨化性筋炎の骨化とは、もともと骨の組織が存在していない部分に骨が形成される症状でもあり、

など軟部組織とよばれる部位にも石灰したカルシウムが蓄積して骨が形成されてしまうケースもあるのです。

症状

骨化性筋炎は、スポーツで起こりやすい打撲で感じる痛みとは異なり、時間の経過ととともに痛みが強くなります。

骨化性筋炎は、太ももの痛みの他にも、以下のような症状があります。

打撲とは違う経過をたどりますので、何かしらの異常を感じることでしょう。

打撲によるしこりに関してはこちらをご覧ください。

打撲のしこりの原因とは?治るまでの目安期間・してはいけない注意点を解説!

骨化性筋炎の全治期間

骨化性筋炎は、

血腫の大きさや骨組織の形成、治療法にもよりますが早いものでは3週間で完全復帰となるでしょう。

外科的な処置をしない場合には、順調な経過では6週間程度でジョギングが可能となり、3ヶ月程度で完全復帰ができるケースが多いようです。

血腫が広範囲にわたり、骨組織が形成されている場合には、最悪のケースで復帰まで半年かかる場合もあります。

そしてここでは、骨化性筋炎を放置するリスクと、重症化した場合の症状も合わせてお伝えします。

骨化性筋炎を放置するとどうなる?

骨化性筋炎は筋肉内に骨の組織ができてしまうため、放置をしてしまうと、

などの症状があります。

スポーツを趣味としている人は特に、骨化性筋炎の放置によってスポーツができなくなるリスクもあるため、あらかじめ症状と起こりやすいシーンを理解しておくことが大切です。

そして適切な処置、RICE処置を行いましょう。

打撲の関連記事はこちら。

自分で早く治す!打撲の対処法とセルフケアの方法をお伝えします!

骨化性筋炎が重症化すると…

骨化性筋炎の重症化は、筋肉内に骨組織があるため筋肉は常に緊張し、しかも動くたびに痛みをもたらします。

そして筋肉がスムーズに動かないため関節や靭帯、腱にも負荷がかかり、

などのリスクがあります。

脚は家で例えると基礎です。

歩き方が不安定だったり、かばい動作があると、家の基礎が揺らぎ、その上に立つ柱や壁に歪みを生じるということ。

となると股関節や骨盤、背骨にまで影響が出てしまうのは当然のことでしょう。

重症化しないために最初の処置がいかに大切なことか、と感じていただけるかと思います。

骨化性筋炎の治療法

骨化性筋炎の治療法を見ていきましょう。

スポーツやその他のシーンで太ももに衝撃を受けた際、適切なRICE処置を行っていると多くの場合、骨化性筋炎に移行せずに打撲の症状だけで自然治癒できるものです。

打撲を適切な処置をせずに、放置してしまった結果起きた骨化性筋炎の主な治療法には、骨化性筋炎と診断後より

となります。

また骨化性筋炎の治療には最終的に、関節が曲がらない、動かないなどの後遺症を残さないために関節可動域訓練・検査を行われるでしょう。

骨化性筋炎を予防するには

骨化性筋炎を予防するにはどのようなことが必要なのかをそれぞれ見ていきましょう。

RICE処置を行う

スポーツで太ももを打撲したら早めにRICE処置を行いましょう。

RICE処置を行うことで骨化性筋炎を予防し、内出血(血腫)を最小限に抑えることができます。

万が一骨化性筋炎を発症をしたとしても、骨組織の形成の範囲が小さいため完治までの期間が短くなるのです。

打撲だけに限らず、捻挫などにもRICE処置は必ず行いましょう。

安静を保つ

骨化性筋炎のならないためには、打撲の腫れや痛みが引くまで安静期間が大切です。

この時期はスポーツはもちろん、負担を強いるような動作も控えるようにしましょう。

安静に過ごす方法はこちらをご覧ください。

ももかんって何?正式名称や原因と症状、対処法をわかりやすく解説!

先生にみてもらう

骨化性筋炎を予防するために自己判断はせずに患部の状態を把握するため、超音波(エコー)で見た方が良いでしょう。

打撲後の血腫が原因で起きる骨化性筋炎ですので、血腫の量や範囲をエコーで確認するとその後の処置や対応、施術内容も変わります。

打撲後、歩けない・しゃがめない状態の時には必ず先生にみてもらいましょう。

食生活のポイント

骨化性筋炎の予防では、丈夫な筋肉や骨の育成材料となるタンパク質やミネラル、カルシウムを摂取することがおすすめです。

また炭水化物・糖質は、骨のコラーゲンや骨質の劣化、骨同士の癒合を遅らせてしまうため、過剰な摂取は控えるべきです。

間食は摂らずに3食をきちんと食べましょう。

糖質についてはこちら。

甘いものがやめられないのは糖質依存症かも!?

【まとめ】骨化性筋炎にならないために

本記事では、骨化性筋炎のメカニズムや原因、症状や予防法についてお伝えしてきました。

コンタクトスポーツをしていると、太ももの打撲は珍しくありません。

打撲から骨化性筋炎へ移行しないためにも適切な処置・治療・施術、そして正しい知識を知っていただければと思います。


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