ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)とは?原因や治療法、症状や経過を解説!


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第5中足骨骨折とも呼ばれているジョーンズ骨折は、ジャンプによる動作やランニングなどのスポーツシーンに起こりやすい障害のことを言い、一般的な骨折に比べると自覚症状が出にくいケースがあります。

今回はジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の原因や主な治療法、症状や経過だけでなく、似ているようで実は違う下駄骨折の違いを解説していきます。

院長:伊藤良太
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ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)とは

はじめに「ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)とは?」からお伝えしていきます。

特徴としては自覚症状が出にくく、自分では見過ごしてしまうことも多い傾向にあるジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)ですが、詳しく原因や治療法、治るまでの目安の期間について見ていきましょう。

原因

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は、

  • ランニング
  • ジャンプなどの動きが多いスポーツ

による、過度の練習量や足のアーチ部分に長時間繰り返し加わることで発生するスポーツ障害のひとつです。

赤い線ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の起きる部分です。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は、金属板の折り曲げ運動の金属疲労と同じように、スポーツ時に足のアーチ部分や中足骨に繰り返しのストレスがかかることで生じ、日常的にスポーツをしている人が特に起こりやすい障害でもあります。

痛みを抱えながらも運動ができてしまうために、早期の発見や治療が遅れてしまうのもジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の大きな特徴です。

治療法

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は、

  • 確定診断の場合:単純X線画像
  • 早期診断の場合:MRI
  • 詳細な骨折部の形状を把握する必要がある場合:CT
  • 第5中足骨部の不全骨折の有無を確認する場合:エコーによる検査

という診断方法を経て、

  • 足底板療法や患部周辺のストレッチによる保存療法
  • プレート固定法やスクリュー髄内固定法などの手術療法

などが実施される流れが多いでしょう。

早期の回復を求める場合、主にプロにおける治療法としては手術が選択されるケースがほとんどです。

治るまでの目安の期間

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は難治性の骨折と言われているため、治るまでの目安期間が6~12か月と長期になることも。

ジョーンズ骨折を不全骨折の時点で発見できた場合は、保存療法のみの治療で比較的早期の運動再開が期待できます。

そのためジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は、あらかじめ症状を理解・把握し、異状に気付いた時点で適切な治療を受けることが治るまでの期間を短くする重要なポイントになります。

何よりも痛みを抱えながらも運動を継続しないよう、指導者とのコミュニケーションがとても大切です。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の症状

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の症状を見ていきましょう。

なりかけ・歩くと痛い・見た目それぞれの症状についてお伝えしていきます

なりかけ

足の甲の外側を指で押した際、その箇所に強い痛みを感じた場合は、ジョーンズ骨折になりかけている可能性が高いと言えるでしょう。

押すと痛いけど、歩いては痛くないというのはなりかけの状態と判断して、適切な治療・施術を受けていれば長期化を防げます。

歩くと痛い

日常生活の中でも歩いたり、階段の登り降りの際に痛みを感じる場合には、適切な処置をせずに運動を継続するとスポーツ時の衝撃に骨が耐えきれずに完全に折れてしまいます。

押すと痛い程度だったり、歩くと少し痛いくらいの状態では、完全に骨が折れてはおらずにヒビでとどまっている状態かもしれません。

その状態にもかかわらず運動を継続すると、負担のかかる動きをした際に足をつくことも出来ないくらいの痛みを感じることになるでしょう。

見た目

ジョーンズ骨折(第5中足骨折)は、歩いたり運動している時に痛みを感じることが多いものの、初期の段階では腫れや内出血などが起こりにくく、パッと見でジョーンズ骨折(第5中足骨折)だと判断するのが難しいケースもあります。

ジョーンズ骨折(第5中足骨折)を生じてから数日・数週間後に皮膚のわずかな膨らみや皮下出血が見られたり、大きな痛みになって初めて内出血や熱感が現れることもあります。

初期症状の際に見た目に何かしらの症状が出にくいことも、早期の発見を遅らせる大きな要因でしょう。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の経過

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の経過についてお伝えしていきます。

荷重をかけない

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)に限らず、骨を損傷してしまったときにはまずは固定と安静がマストです。

そして固定・手術後は骨の修復を早めるため、ある一定期間荷重をかけずに過ごします。

一定期間が経過したら骨の修復を早めるため、徐々に荷重か刺激を与えていきましょう。

骨というのは安静だけが修復を早めるのではありません。

適切な時期を見極めて荷重・・刺激を与えるとさらに速くなるのです。

骨折を早く治す方法についてはこちらをご覧ください。

手や足の骨折を早く治す方法は?骨の回復を早める秘訣を教えます

全荷重をかける

骨の再生が進み、歩いても痛みを感じなくなってきたらついに全荷重をかけても良い時期と判断します。

片足に全荷重をかけると固定期間中に動かさなかった関節が動くようになるため、患部以外のところに痛みを感じますが、治る過程で必ず出る症状ですし、すぐになくなる痛みなので心配は無用です。

もし、患部に痛みを1週間以上感じるときには迷わずに先生に相談しましょう。

運動の開始

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は、初期に発見した場合はリハビリや安静期間などを経て運動を早期に再開することができますが、発見が遅れて手術をした場合は、3~4週間程度松葉杖での歩行となり、運動の再開はそこから半年・一年かかるケースもあります。

最初の肝は【痛みを感じてからいかに適切な行動・対処をするのか】です。

痛みを感じたときは自己判断はせずに、先生にみてもらいましょう。

ジョーンズ骨折と下駄骨折の違い

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)と下駄骨折は、原因や症状、診断や治療法のすべてに細かな違いがあります。

ジョーンズ骨折(第5中足骨折)と下駄骨折の違いを見ていきましょう。

症状について

下駄骨折の場合は、受傷してすぐに足に強い痛みと腫れ、皮下出血が生じ、特に足の外側や小指側に痛みがあり、足を着いての歩行が難しい状態になります。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の場合は、スポーツ時の軽い痛みから発症し、徐々にスポーツの継続が難しくなり、大きな腫れもなく、歩けないほどではない症状が多く出る傾向です。

1回感じる大きな痛みと、疲労骨折のようにジワジワ感じる痛みが両者を見分ける方法の一つかもしれません。

治療法について

下駄骨折の場合は、3~4週間程度のギプスやシーネ固定で、手術をせずに外来通院のみで治療できることがほとんどです。

ジョーンズ骨折(第5中足骨折)の場合は、初期であればスポーツなどの活動をストップすると治癒しやすくなりますが、悪化している場合は手術による治療が行われます。

下駄骨折についてはこちらをご覧ください。

下駄骨折とは?原因や症状、早く治す方法とよくある疑問にお答えします!

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)のテーピング

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)にテーピングをしておくと、土踏まずのクッション機能が回復しやすくなり、足と足趾への衝撃が緩和されます。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)のテーピング法を参考にしてみてください

痛みを抱えながら運動をするのは推奨しませんので、この場合のテーピングの貼り方は少し痛い程度の状態に活用する貼り方になります。

1:親指の付け根からかかとを通り、小指の付け根に戻る

2:土踏まずを上げるように外側から内側にテープを貼る

使用するのは伸びるテーピングの方が貼りやすいです。

テーピングに頼って痛みを楽にするのは一時的ですので、根本的にアプローチをしてほしいと強く思います。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)を予防するには

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)を未然に予防するための予防策をお伝えします。

運動量の調節と身体の使い方

運動量が多いと身体への負担も増え、疲労が溜まり組織が損傷、ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の場合には金属疲労のように骨が折れてしまいます。

同時にスポーツによってはジョーンズ骨折の起きる部位に負担のかかる動きもありますので、負担軽減のための練習の工夫や身体の使い方を身につける必要がもあるでしょう。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)が起きる最もな原因は【継続的な患部への負荷と刺激】です。

強いて言えば、【継続的な患部への負荷と刺激】さえ軽減できれば防げるスポーツ障害でもあるのです。

指導者の選手への観察力やコミュニケーションの大切さが問われるスポーツ障害なのかもしれません。

足首・ふくらはぎ周りの筋力強化

ジョーンズ骨折を予防するためには、外側に偏った体重のかけ方を防ぐよう、足首とふくらはぎの筋肉を鍛えておくことがポイントです。

足首とふくらはぎの筋肉強化に役立つカーフレイズというエクササイズをご紹介します

方法は簡単、かかとを真っ直ぐ上げるだけです。

この動きを20回×3セット行いましょう。

翌日に筋肉痛があれば適度な負荷だったということになり、筋肉痛にならないときには回数やセット数を増やしてみてください。

糖質を控えめし、骨に良い栄養を補う

糖質の過剰摂取は丈夫な骨を作る妨げになってしまうため、間食に何を食べるのか、お菓子の食べ過ぎには十分注意しましょう。

予防、骨の早期再生にはタンパク質・ミネラル・カルシウム・ビタミンDの栄養をバランス良く補うようにしましょう。

特にビタミンDの不足は、疲労骨折の最大のリスク原因と言われているため、毎食バランスよく摂取することがオススメです。

関連時期はこちら。

健康に気を使う人必見!健康にいい食べ物に含まれている栄養素とは?

インソール

インソールは使う人それぞれに合った足底板の製作ができ、スポーツや歩行時などにかかる足への負担を緩和する働きがあります。

当院がオススメするのは《シダス社》のインソールです。

シダス社公式HP→https://sidas.co.jp/

上記の画像のインソールはオールラウンドタイプで、使用する目的によって材質や場面に応じた種類も豊富です。

陸上やサッカー、バスケ・バレーなどジャンプや方向転換の多いスポーツでは、足への負担軽減とケガの予防にとても役立つことでしょう。

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)の疑いがあったら【まとめ】

ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)は症状や原因を早めに理解し、ちょっとの異状を感じた時点で早めの治療・施術を受けることが大切です。

スポーツが楽しいこの季節、ジョーンズ骨折(第5中足骨骨折)のリスクは誰にでもあることを意識しながら、未然予防の生活習慣を心がけていきましょう。


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