膝下の痛みの原因は?症状から見るセルフチェックと対処法について


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膝下に痛みを感じていても一時的な症状だと楽観視したり、痛みの原因や対処法がわからない人も多いのではないでしょうか。

膝下を含めた膝は身体の中でも特に重要な関節で、しかも日常生活の中で全てと言っていいほどの動きに関わるため、膝下の痛みの原因や対処法を知っておいて損はありません。

今回は、膝下の痛みの原因や4つの主な症状から見るセルフでできるチェックや対処法についてお伝えしていきます。

院長:伊藤良太
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膝下の痛みの原因

膝下の痛みの原因には、

という4つの原因が考えられます。

膝下の痛みのこの4つの原因を、ひとつひとつの症状について見ていきましょう

腸脛靱帯炎(ランナー膝)

膝の痛みのもっとも大きい原因と言われているランナー膝は、ランニングを習慣にしている人に生じやすい痛みのひとつです

腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)と言われるランナー膝は、ランニングなどのスポーツで同じ動作を繰り返すことにより、膝下側外にある腱と膝関節が摩擦により炎症を起こして痛みが生じます

ランナー膝は、膝下や膝の外側にズキズキとした痛みが生じ、悪化すると慢性化して日常生活にも支障をきたしてしまうケースも少なくありません。

腸脛靱帯炎について詳しくはこちらをご覧ください。

腸脛靱帯炎になりやすい人とは?原因と症状チェック、早く治す方法をお伝えします

ジャンパー膝

膝蓋腱炎(しつがいじんたいえん)とも呼ばれているジャンパー膝とは、

  • ジャンプや着地
  • ストップやジャンプ

などのハードな動きを繰り返し、膝蓋腱に生じるオーバーユース(使い過ぎ)障害のことを言います。

ジャンプや着地を繰り返すスポーツで起きやすく、女性よりは男性に多く見られ、競技のパフォーマンスやレベルが徐々に高まってくる中・高校生にかけてのジュニア世代は発症のリスクが高まりやすい傾向です

ジャンパー膝は、運動後や運動中にも痛みが出やすく、悪化すると運動パフォーマンスに影響を及ぼすほどの強い痛みが生じることもあります。

ジャンパー膝について詳しくはこちらをご覧ください。

ジャンパー膝の痛み・症状とは?治療・リハビリ方法も徹底解説

鵞足炎(がそくえん)

鵞足炎は、鵞足(がそく)という膝の内側の下部分にある、脛骨のまわりに炎症が起こる障害です。

鵞足は、

  • 縫工筋(ほうこうきん)
  • 半腱様筋(はんけんようきん)
  • 半膜様筋(はんまくようきん)
  • 薄筋(はくきん)

という筋肉の腱が膝の内側に付き、そこにある滑液包と4つの腱との摩擦により炎症が生じます。

鵞足炎はスポーツをする人に生じやすい傾向ですが、ケガや打撲などがきっかけで発症することも

鵞足炎について詳しくはこちらをご覧ください。

鵞足炎の原因とは?症状や治療方法、リハビリも徹底解説!

オスグッド・シュラッター病

オスグッド・シュラッター病は、

  • ジャンプ動作時に膝を屈伸をした時
  • キックやダッシュの動作をした際

で痛みを感じやすく、これらの動きによって脛骨粗面部が強く引っ張られた状態により、炎症が起きて痛みを感じる障害です。

オスグッド・シュラッター病は、小中学生に多い膝のオーバーユースによる成長期のスポーツ障害のひとつで、筋や腱などの軟部組織は身長や骨と同じように成長しないため、悪化すると骨端核の発育の阻害につながることもあります。

オスグッド・シュラッター病について詳しくはこちらをご覧ください。

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オスグッドが治らない理由は?オスグッドに関する疑問にお答えします!

膝蓋下脂肪体炎

膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)とは、お皿の下にある脂肪組織に炎症が起こり、痛みを感じる障害です。

※画像には出ていませんが、黒矢印の先に少しだけ見える滑液包の上に膝蓋下脂肪体炎が存在しています。

原因としては

  • 肥満
  • スポーツなどによる過剰な膝への負荷
  • 打撲
  • 変形性膝関節症との合併

によるものが挙げられます。

起こる年代も幅広いため、早期に画像による診断が必要でしょう。

膝蓋下脂肪体炎について詳しくはこちらをご覧ください。

膝蓋下脂肪体炎とは?原因や症状、効果的なストレッチと疑問にお伝えします

膝下の痛みチェック

膝下の痛みチェックができれば早期の症状軽減につながります。

膝下に痛みがある際の、部位別のチェックポイントについて見ていきましょう。

お皿のすぐ下

膝のお皿のすぐ下に痛みがある場合は、

  • ジャンパー膝
  • ランナー膝
  • 膝蓋下脂肪体炎

の可能性が考えられます。

膝のお皿のすぐ下には膝蓋骨とすねの骨をつなぐ膝蓋腱や、お皿のすぐ下には脂肪組織の膝蓋下脂肪体が存在しています。

痛み方や症状でも判別は可能ですが、画像にて患部の状態を見極めてから治療・施術を進めていくと良いでしょう。

膝下の出っ張り部分

膝下の出っ張り部分に痛みを感じたり、出っ張りが大きくなっている場合には、オスグッド・シュラッター病が可能性が最もあります。

オスグッド・シュラッター病はジャンプやランニングのスポーツ時の動作により、太ももの前側の筋肉である大腿頭筋に疲労が蓄積し、血流が悪くなって筋肉が硬くなり、痛みや膝下の出っ張りが大きくなるのも珍しくありません。

運動だけでなくストレスによっても筋肉は硬くなり、痛みが強くなる場合もあります。

膝下の内側

膝下の内側が痛む場合は、鵞足炎の可能性が高く、膝から5㎝ほど下がったすねの内側を押すと、特に強い痛みが生じます。

鵞足炎は運動後に痛みを生じやすく、腫れや皮膚の赤み、熱感を持つこともあるので、自分自身でも比較的気付きやすい症状と言えるでしょう。

そのほかの膝の痛みの原因

膝や膝下の痛みの原因には、

  • 変形性膝関節症
  • 半月板・靭帯損傷
  • 滑液包炎
  • リウマチや痛風など

があります。

それぞれの症状について解説してみたいと思います。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、関節のクッションの役割をしている軟骨が、筋肉量の低下や加齢などによってすり減ることで膝の痛みにつながると言われています

軟骨がすり減り、痛みを伴うと歩き方が悪くなり、さらに膝関節の骨と骨の隙間が狭くなって骨が変形しやすくなる例が多々起きています。

なぜそうなってしまうのかというと…詳しくはこちらをご覧ください。

変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト

変形性膝関節症のしてはいけない運動とスクワットやウォーキングの効果

半月板・靱帯損傷

半月板・靱帯損傷には

  • スポーツ
  • 日常生活
  • 交通事故

などにより膝を捻った際に起こります。

靭帯を痛めてしまうと関節の安定性が大きく損なわれ、痛めた後から痛みや腫れ、熱感や動きの制限が現れるでしょう。

靱帯についてはこちらをご覧ください。

靭帯損傷とは?症状や治療法、早く良くなる方法を解説します。

滑液包炎

滑液包炎は、膝のお皿に前側にある膝蓋前滑液に炎症が生じ、滑液が貯留して腫れと痛みが出る症状のことを言います。

滑液包炎による膝の痛みは、痛みが出たり出なかったりするケースもあるため、自身では症状に気付けないところが判別を遅らせてしまう要因でもあるでしょう。

滑液包炎について詳しくはこちらをご覧ください。

滑液包炎とは?症状や原因、起きやすい部位のなどの疑問にお答えします

リウマチや通風

リウマチが膝関節に発症すると、関節の炎症が生じて黄色く濁った関節液が膝に溜まり、歩行や階段の上り下りの際の支障になるでしょう

痛風とは関節内で尿酸が過剰に溜まり、固まって結晶になり炎症を生じ痛みを伴います。

痛風による膝の痛みは、突然発作のように起こることもあり、肥満や高尿酸血、高血圧の人に生じやすい傾向です。

膝下の痛みへの対処法

膝下の痛みへの対処法をお伝えします。

膝下に痛みが生じた場合は、できるだけ時間を置かずに次のような対処法を行うようにしましょう。

アイシング

膝下の痛みがある時に行うアイシングには、血管の収縮を促し、消炎鎮痛や腫れ、痛みの軽減にとても効果的です。

市販でも販売されているアイシング用保冷剤や冷たいタオルでも良いでしょう。

最も効果的なのはビニール袋に氷水を入れて、

  1. アイシング
  2. 感覚がなくなりつつなったら外す
  3. 感覚が戻ってきたらアイシング

を繰り返す方法です。

もちろんアイシングをする目的によって方法も変わりますので、アイシングをより効果的に行う方法はこちらをご覧ください。

アイシングを効果的にする方法、時間と回数、やりすぎない為の注意点

安静

膝下に負荷がかかるような無理な動作は避けてスポーツは中止し、通常の生活や日常の動作をしながらも、安静を心がけることが膝下の痛みの緩和につながります。

膝下の痛みの安静期間は症状によって異なりますが、軽度の場合は1~2日間安静にし、その後痛みに変化が出てきたら徐々に散歩や筋トレなどを始めると良いでしょう。

筋力トレーニング

下半身の筋力トレーニングにより、膝にかかる負担軽減が望めます。

同時に柔軟性も高められると膝への負担はさらに軽減し、早期に痛みも変化するでしょう。

筋トレを始めるタイミングは自己判断は危険ですので、先生に相談しながら行うことをお勧めします。

ストレッチも自己流よりも先生に指導を受けながら行えれば理想ですが、なかなかそうは行かないかともいますので、痛みなく行えるストレッチでしたら積極的に行いましょう。

ストレッチについて詳しくはこちらをご覧ください。

間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

フォーム・練習メニューの改善

膝下の痛みは、スポーツの動作で過度に負担のかかる動きをしていたり、練習する時間が長過ぎるなど膝への過負荷であることも原因のひとつです

フォームの崩れは効率の低下を招き、無駄な力を使うことになります。

疲労によりフォームが崩れても練習を続けるのは非効率です。

フォームや練習メニューの見直し・改善を行ったほうが選手のため、チームのためにもつながります。

【まとめ】膝下に痛みについて

本記事では膝下の痛みの原因や4つの主な症状から見るセルフでできるチェックや対処法についてお伝えしました。

膝下の痛みはスポーツを日常的に行っている人に多く見られるため、原因や症状を理解し、

  • 膝下に過度に負担をかけない適切な運動量とフォームの改善
  • 膝下の痛みを感じたら我慢せず、治るためにできる行動

などの対処を早めに行うようにしましょう。


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