扁平足の原因とは?痛み方や症状、対処法をご紹介!


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足の裏にある土踏まずがつぶれた状態のことを言う扁平足。

病気と言われるほどの深刻なトラブルはないと考えられている扁平足ですが、身体を支え、スムーズな動きを維持するためにも、足の健康・正常な状態を維持しておきたいものです。

今回は、扁平足の原因と痛み方、対処法、セルフでできるチェック方法も合わせて解説していきます。

院長:伊藤良太
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扁平足とはどんな状態?

扁平足は足の裏にあるアーチが下がっている状態ことを言い、年代や性別に問わず発症しやすいと考えられています。

もともと足には、内側縦(ないそくじゅう)のアーチ状となる土踏まずがあるのですが、扁平足は土踏まずがつぶれた状態となり、足の裏全体が地面についてしまっていることを示しています。

①の縦アーチがつぶれているのが扁平足です。

扁平足のトラブルは、なってしまった人全員に良くない影響が出るわけではなく、扁平足でも日常生活を問題なく送れる方もいらっしゃいます

扁平足になる(縦アーチがつぶれる)と…

 足部アーチ低下による距骨下関節回内、脛骨の内側への傾斜、 さらに膝関節外反という下肢荷重連鎖によるアライメントの 変化は、knee-inと定義され、下肢の内側に伸張ストレス、外側 に圧迫ストレスを引き起こし、様々な外傷の原因となる。

内側アーチ支持テープが下肢アライメント及び垂直跳躍動作に与える影響について:第40回日本理学療法学術大会 抄録集

わかりやすく症状で挙げていくと

  • 体重を分散させることができなくなる
  • 歩くだけの動きでも足首や膝、腰などに痛みを感じる場合がある
  • 足首や膝に変形を招くことがある
  • 長時間の歩行が困難になる
  • 疲れやすい体質に変わる
  • シンスプリントになりやすい

などなど、良くない影響が出るケースも。

膝の変形は変形性膝関節症を進行させ、日常生活にも支障をきたす場合があり、常日頃からの身体の変化には気をつけたいものです。

変形性膝関節症についてはこちらをご覧ください。
↓      ↓     ↓
変形性膝関節症の原因と将来ならない為に今すぐにでもすべきコト

シンスプリント(脛骨疲労性骨膜炎)についてはこちら。
↓     ↓     ↓
シンスプリントの原因と治療法、症状予防に必要な環境改善とセルフケア

大人の扁平足の原因

扁平足の原因には大人と子供には違いがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

スポーツでの足の着き方によるもの

競技特有の足の着き方や練習環境、運動時の間違った着き方により、足首や足裏に負担がかかってしまうような着き方をしていると、土踏まずが潰れることもあります。

練習内容や練習環境の改善により、扁平足を防げる場面が実は多いのです。

身体の動かし方によって土踏まずも変化していきますので、指導者の方は選手の身体への十分な配慮と指導をしていただければと思います。

ケガによる後遺症

足首や膝、足の裏にケガをすると、その痛みや不快感をかばうようになるため、正しい歩き方・姿勢・足の着き方ができなくなり、扁平足の状態が長引いたり、実際に骨格が扁平足になってしまうケースもあります。

足首を捻挫すると骨の配列(アライメント)が崩れ、足の形が変わってしまった結果、扁平足になるのです。

実際に私の足もそのようになっていて、扁平足により足に合わない靴を履くとすぐに疲れや痛みが出てしまいます。

写真が左(上)が正常な足、右(下)が捻挫による骨の配置が変化して扁平足になった足です。

立っているだけではわずかな違いではありますが、実際に動くと体重による荷重と地面からの反発で足の裏全体へ負荷がかかり、荷重のたびに足首の捻れも生じてしまいます。

足に合わない靴や、少し負担のかかる動きをした際には、うちくるぶし周辺や足の裏に痛みを感じ、ひどい時には足がつけなくなることもあり、決して軽視してはいけないのが扁平足の隠れた怖さかもせれません。。

子供の扁平足の原因

子供の扁平足には大人とは違う原因があります。

お子さんに当てはまるものがありましたら、早期に対応してあげてくださいね。

生まれつき

土踏まずは8~10歳の間に形成されると言われていますが、生まれつきの体質や両親ともに扁平足の場合は、遺伝的な要因によって土踏まずが成長できないと考えられています。

骨格が生まれつき扁平足の場合、何かしらのアプローチで土踏まずの形成は可能ですが、大きなアーチを形成することは難しいでしょう。

足のつき方

歩き方を教わって歩く子供はほとんどいないため、気づいたら足にあるアーチが潰れるような変な歩き方になっていることもあります。

幼児期の扁平足では靭帯や骨が未発達なため、構造上どうしてもゆるく、弱くなっているために起こる扁平足の原因です。

個性のある歩き方に気づいたら早期に対処してあげた方が将来、足のトラブルに悩むことがなくなるでしょう。

扁平足の症状とは?

扁平足の症状とは主に、

  • 足関節や靱帯、腱の付着部分に腫れや痛みが生じている
  • 内側のくるぶし付近に強い痛みを感じる
  • 損傷を受けた部位によって腫れや痛みの程度が変わる
  • 足の裏、外側に扁平足特有の症状が出る

などがあります。

また、扁平足が悪化してしまうと、

  • 足と関節の柔軟性が失われてしまう(踵を地面に付けてしゃがめなくなる)
  • 姿勢が悪くなる(X脚になりやすい)
  • 歩行障害につながりやすい
  • 頭痛や腰痛が慢性化する

などの良くない影響が出る可能性もあり、足だけではなく全身の不調につながるおそれもあるのです。

扁平足の治し方とは?

扁平足の治し方にはどのような方法があるのでしょう。

扁平足を治し、スムーズな動きと健康的な足の状態を取り戻すため、ここでは治し方について解説していきます。

病院や接・整骨院などで受けられること

病院や接・整骨院での扁平足の治し方には、

  • 足指を鍛えて土踏まずの形成につなげるストレッチや筋トレ
  • 痛みを緩和、予防するための湿布による保存治療
  • ボルタレンやロキソニンなど、鎮痛作用のある薬での治療
  • 足のアーチ機能をサポートする足底板(インソール)を装着
  • ギブスを使って足を固定する治療

などがあります。

扁平足の症状が長引き、日常生活や歩行にも支障をきたしている場合は、

  • 腱移行術
  • 関節手術

などが検討されることもあり、早期の対処が必要です。

実際に手術が必要な例はいまだに見たことがありませんし、薬物療法や保存療法では扁平足の症状緩和に著しい変化は望めないでしょう

最も効果的で、根本的なアプローチが可能なのが足底板(インソール)の活用です。

当院では、扁平足の患者さんにシダス社のインソールを装着すると、ほとんどの症状は軽減・消失しています。

インソールの種類もたくさんありますので、自分の足にあったものを見つけるために先生に相談してくださいね。

インソールについてはこちらをご覧ください。

靴と足とインソールのお話。

日常的に何かしらの症状を抱えている方は少なくありませんので、適切な対処をしてほしいと日々の現場では強く感じています。

日常生活でできる治し方

扁平足を治すためには、正しい歩き方や姿勢を見直し、足のサイズに合った靴下・靴を履くことが基本の対処になります。

また、足指を鍛える手軽な筋トレも、扁平足の改善・予防につながると言われているため、次の3つのトレーニングを習慣付けてみましょう。

《~扁平足×筋トレその①足指グーパー運動~》

足指に力を入れて、ギュッと閉じたり大きく開いたりする運動を繰り返しましょう。

もし、足指に力が入らない場合は、足の甲をやさしくもみほぐしてマッサージをしてみましょう。

この時、保湿作用のあるクリームやオイルなどを塗布しておくと、手肌のすべりが良くなりマッサージがスムーズになります。

足の甲のマッサージは、繰り返すことで凝り固まった筋肉がほぐれ、足指の開きが徐々に大きくなっていきます。

足指グーパー運動は、足の甲に疲れを感じない程度、10回くらいの実践がおすすめです。

《~扁平足×筋トレその②タオルを使った運動~》

タオルを床に敷き、その上に足を置きます。

足指でタオルをつかんでたぐり寄せるようにします。

その後タオルをもとの場所に戻して足で手繰り寄せる運動を繰り返しましょう。

目安は10~20回程度になります。

《~扁平足×筋トレその③》

つま先で立ち、全身を支えた状態で、両足のかかとをくっつける・離す運動です。

10回から15回程度を目安に繰り返してみましょう。

扁平足のチェック方法

扁平足のチェック方法をお伝えしますので、自分が扁平足なのかどうかを見極めていただければと思います。

ここでは、扁平足だと判断できる、手軽なセルフチェックのポイントをまとめてみました。

チェック項目に当てはまる部分が多いほど扁平足の可能性が高くなりますので、早めに病院や接・整骨院での相談、靴や靴下のサイズ、姿勢を見直しなどを始めておきましょう。

  1. 足を内側から見た時に、縦のアーチがない
  2. 足裏と足の甲の間に1㎝程度の隙間がない
  3. 足裏が地面にピッタリと密着している状態である

私の足は3番目には一致しませんが、扁平足が強い方は地面との隙間がない方もいらっしゃいます。

そして扁平足をより的確に判断するためには、チェックするタイミングも重要です。

なぜタイミングが重要なのかというと、足の裏の筋力が発達している選手は地面との隙間がなく、一見扁平足のように見える場合もあるためです。

扁平足のチェックにおすすめのタイミングは、《動く前と、動いた後の比較》です。

動く前の筋肉は刺激がまだ十分でないために、緊張状態ではありません。

筋肉が張っていない状態です。

ですが運動後は筋肉の緊張状態により、発達したように見え、「筋肉が張った状態」になるため、運動前は地面との隙間はあったものの、運動後は扁平足のようにアーチが下がったように見えてしまいます。

このような状態を隠れ扁平足というため、動く前と動いた後の比較が重要なのです。

あなたの足はいかがでしょうか…?

扁平足のまとめ

足は第二の心臓とも呼ばれるほど、身体全体の状態・健康に深いかかわりのある部位となっています。

扁平足が原因による全身への影響を理解し、そして上手に対処しながら、足から健康的な体質を手に入れましょう。

 


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