仙腸関節炎をストレッチとテニスボールで改善する方法をご紹介!


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普段の生活の中で腰とお尻の間が

  • 仰向けに寝ると痛い
  • 椅子に座っていると痛みで片方の腰が痛い
  • 動き始めが痛い

などの症状を感じることはありませんか?

もしかするとそれは「仙腸関節障害、または仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)」かもしれません。

「仙腸関節炎をストレッチとテニスボールで改善する方法をご紹介!」を読んでいただき、痛みなどの症状を早期に改善できるよう知識を深めていただければと思います。

院長:伊藤良太
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仙腸関節炎(障害)とは

そもそも仙腸関節がどこにあるかというと、骨盤のちょうど中心に位置する仙骨(せんこつ)と、左右にある腸骨(ちょうこつ)が繋がっている部分(緑丸)になります。

仙腸関節が様々な負担によって痛みを感じてしまうことを仙腸関節障害、または仙腸関節炎と呼びますが、実は現代人のほとんどの方が仙腸関節炎を発症する可能性があるのです。

症状の出る範囲は仙腸関節周辺の痛みだけでなく、お尻や足の付け根に感じる痛み、ときには脚の方まで感じる場合もあり、患部周辺だけではないことも珍しくありません。

仙腸関節炎になると考えられる原因は普段の生活に潜んでおり、

  • 悪い姿勢で長時間座っている
  • 片足重心で立つ癖がある
  • 産後による靭帯の緩み
  • 股関節周辺の筋肉の硬さ

となっています。

骨盤に対して斜め方向の力が加わり続けるとなりやすいとも考えられます。

女性の場合は、出産時から出産後約6ヶ月間分泌されるホルモンによって骨盤内だけでなく、仙腸関節周辺の靭帯が緩むことで出産後から痛みを引き起こす場合があるのです。

筋肉は硬くなると仙腸関節への圧迫力を強めてしまい、その圧迫力が痛みを引き起こします。

仙腸関節炎が治った方に出来る動作

仙腸関節炎が治った方(何も異常がない方)ができる動作には、腰や股関節を大きく動かす動作です。

仙腸関節炎が起きていると

  • 歩く
  • 階段の上り下り
  • 腰を捻る
  • お辞儀や腰を反る
  • 脚を前後に開く

などの動作が痛みで出来なくなります。

反対に、このような動作で痛みを感じる場合は仙腸関節炎の疑いがあるでしょう。

仙腸関節に負担がかかる原因としては姿勢の偏りからくる痛みだけでなく、普段の癖などによって背骨や背骨から繋がる股関節周辺の筋肉が硬いことも痛みを出してしまう原因となっています。

    股関節周辺の筋肉はぞれぞれ密接に関与しているので、筋肉の硬さや筋力の低下を丁寧に見ていく必要があるでしょう。

    ですので、あなたが自己判断でどの筋肉が硬い、動きが良くない、などと判断するのはとても難しい評価になります。

    仙腸関節付近に痛みがあるときには先生にみてもらいましょう。

    仙腸関節炎の寝ながら行うストレッチの方法

    仙腸関節炎はお尻周辺の筋肉を緩めると楽になる傾向がありますので、お尻の筋肉のストレッチになります。

    1. 仰向けで寝て股関節と膝を90度にする
    2. そのまま横に倒れる

    とカンタンです。

     

    倒している側の方が浮かないとより効果的です。

    股関節と膝が90度の角度が最も伸ばしたい筋肉が伸びる角度ですので、股関節と膝に意識を持って行いましょう。

    気持ち良さを味わいながら行うとさらに効果的です。

    ストレッチについてはこちらをご覧ください。

    間違ったストレッチをしないために、知っておくべきこととは?

    仙腸関節炎のストレッチポールを使ったストレッチとセルフケア

    仙腸関節炎のストレッチポールを使ったストレッチとセルフケアをお伝えします。

    ストレッチポールを使ってのストレッチはポールの上で寝るだけです。

    「ストレッチ」というよりも「リラックスして筋肉を緩める」というのが目的になります。

    最初の頃は30秒ほどから初めて、徐々に時間を伸ばしていきましょう。

    当院では5分以上行って楽になった方もいらっしゃいます。

    ですが、長く行うと痛みが強くなる場合もありますので、慎重に時間は増やしていきましょう。

    セルフケア方法は黄色丸をつけた周辺の筋肉へのアプローチになります。

    姿勢が少しキツめなので、痛みが強い方は無理して行わないでください。

    1. 仰向けで膝を立てて寝ます
    2. 左右に倒れて黄色丸にストレッチポール を当てる
    3. そのまま気持ちいいと感じる間、体重をかける
    4. 気持ち良さを感じなくなったり、わからなくなったら逆に倒れる

    倒れるとお尻に何か当たるものがあります。

    それが硬くなった筋肉です。

    床に着いている脚にはほとんど体重は乗っておらず、お尻に乗っています。

    行う回数や時間などの目安は特にありませんので、行った後の感覚や症状によって回数や時間を決めてください。

    仙腸関節炎にテニスボールを使った対処法

    では仙腸関節炎の症状にテニスボールを使った対処法をご紹介します。

    硬式のテニスボールを1つ用意します。

    1. 先ほどの黄色丸周辺に当たるようにボールを当てる
    2. 体重をかけて仰向けになる

    ポイントは【仰向けになったら膝を開く】です

    じわ〜っと当てると、膝を開いたことで緩んだ筋肉にじっくりと深くボールが入っていくでしょう。

    勢いよく寝るとただ痛いだけなので注意してください。

    コロコロと動かすと気持ちいいかもしれませんが、気持ち良さが筋肉を緩めるわけではありませんので、テニスボールの上に寝るだけで充分です。

    1回に1分ほど行って、1日多くても3回ほどにしておきましょう。

    もし痛みや違和感がおきた場合は、中断してください。

    テニスボールを使って悪化させないために

    テニスボールを使ったセルフケアを行う際の注意点は、

    • コロコロとボールをずらして刺激を強く与えない
    • テニスボールよりも硬いもので刺激を与えない

    ことです。

    筋肉は強い刺激を与えると防御反応を起こしてしまい、かえって硬くなりかねません。

    お伝えした通り1日3回ほどを目安に、そしてコロコロを転がさずに筋肉を損傷させないように気をつけましょう。

    仙腸関節炎の治療

    仙腸関節炎になってしまった場合の治療は、安静、痛み止めの服用や注射、コルセットなどによる固定が主に施されるでしょう。

    ただし痛み止めやコルセット、骨盤ベルトは痛みの根本的な解決にはならないので、しっかりと治していきたい方は下記の方法で進めていくのがオススメです。

    軽症の場合は、原因として考えられる部位の筋肉を緩めるセルフケアやストレッチ、仙腸関節周辺の安定性を高める目的で軽い筋力トレーニングを行いましょう。

    軽症のほとんどの方が、これらの治療で徐々に症状が改善していきます。

    しかし、中には症状が改善されずに局所麻酔を注射する仙腸関節ブロックや、重症の場合はボルトで仙腸関節を固定する手術を行うことも稀にあります。

    治療によって症状が改善されたら再び症状を引き起こさないように、日常生活の中での姿勢や立ち方、筋力トレーニングを始めストレッチなどのケアを続けていくことが大切です。

    筋力トレーニングといっても運動選手のように攻めるものではなく、《動きにくい動作があったら繰り返し行って動けるようにする》程度の認識になります。

    脚(股関節)が上りにくかったら少し高く上げる動作を繰り返すなどです。

    無理して行う必要は全くありませんので、日常の中で行えるほんの少しの負荷で構いません。

    仙腸関節炎の炎症が楽になる寝方

    基本的には横になると腰にかかる負担が軽減して痛みは和らぎます。

    痛みを感じない寝方には

    • 膝を90度に立てて仰向けになる
    • 横向きで寝て、腰を丸める

    と痛みを強く感じずに寝られます。

    痛みがない方を下にして横向きで寝ると楽になる傾向がありますが、稀に痛い方を下にしたほうが楽になるケースもありますので、実際に寝てみて楽な方を選んで寝てみてください。

    寝返りの際にも膝は曲げたまま行うと楽に出来るでしょう。

    反り腰の方は真っ直ぐ脚を伸ばして仰向けで寝ていると痛みが余計に強くなるかもしれません。

    その理由と反り腰についてはこちらをご覧ください。

    反り腰の原因や改善する方法とは?ストレッチや運動を徹底解説!

    仙腸関節炎のテーピングの貼り方

    仙腸関節炎のテーピングの貼り方は、伸びるテーピングの75ミリを3本使用します。

    写真ではお人形さんですので、サイズは合わせて小さく切っていますので、予めご了承ください。

    1. 少しお辞儀をするように腰を曲げた状態になる
    2. 仙腸関節を一直線に結ぶように真横に貼る
    3. 仙腸関節を斜めに結ぶように貼る

    腰が痛くて曲げられない時は、真っ直ぐ立ったままでも構いません。

    引っ張って貼るとテーピングの端の皮膚が水ぶくれになりますので、載せるように貼りましょう。

    仙腸関節炎にならないために

    仙腸関節炎にならないために意識することは以下の3つです。

    • 普段の姿勢
    • ストレッチやマッサージ
    • 筋力トレーニング

    仙腸関節炎は産後の痛みを除いては、姿勢の崩れが原因で発症する可能性が高いので、普段から意識して左右差のない姿勢でいることが最も大切です。

    ですが、職場の環境や動作のクセによりどうしても左右均等でい続けるのは難しいでしょう。

    そのためにも普段からあなた自身で姿勢を鏡でチェックして、その都度直す習慣が必要になります。

    他にも、ストレッチや紹介したテニスボールを使ってのセルフケアを行って、仙腸関節周りの筋肉を緩めておくとさらに良いでしょう。

    痛みが出たら我慢せずに医療機関いいくことも大切です。

    自己判断せずに先生を頼って共に症状改善に取り組んでいただければと思います。


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