肋骨骨折放置のリスクと対処法を詳しく解説!


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肋骨は比較的大きな骨ですが、骨折をしても気付きにくかったり、異変を感じても我慢をして放置してしまうケースが少なくはありません。

肋骨には心臓や肺などの大切な臓器を守る役割があるので、肋骨骨折が生じると本来の働きができなくなり、臓器に何かしらの影響を与えるリスクも。

今回は肋骨骨折放置のリスクと対処法をわかりやすく解説していきます。

院長:伊藤良太
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肋骨骨折を放置した時のリスク

肋骨骨折を放置した時のリスクはどのようなものがあるのでしょうか。

中には重篤なものもありますので、是非ともご一読いただければ幸いです。

肺損傷

肺の組織が損傷していることをいう肺損傷は、胸の痛みや息切れが長期にわたって続き、呼吸や循環の働きを阻害するため重篤化しやすいと傾向にあります。

気胸

気胸は肋骨骨折によって肺が潰れたような状態になり、肺から空気が漏れ、呼吸が苦しくなったり血圧の低下や呼吸障害につながるリスクがあります。

肋骨骨折が原因の気胸はすぐに適切な処置を受けてください。

内臓損傷

肋骨骨折をそのまま放置してしまうと、

  • 肺の組織が傷つき、腫れや出血が生じる肺挫傷
  • 肝臓が傷つき、血液が溜まって肝臓の奥までが避ける肝損傷
  • 脾臓を覆っている内部の組織が避けて出血する脾挫傷

など、さまざまな内臓の損傷につながるリスクがあります。

こんな時は病院へ!

肋骨骨折は体質や症状の程度によって痛みを感じないこともありますが、次のような際は早めに病院で診てもらうようにしましょう。

  • 骨折を疑う患部が腫れている
  • 呼吸や体を動かすたびに痛みが強くなっている
  • 激痛で体を動かせない
  • 尿に血が混ざっている

特に尿に血が混ざっている症状は重篤と予想されますので、早急に病院へ受診してください。

肋骨骨折の痛みのピーク

肋骨骨折の痛みのピークは、骨折を生じてすぐではなく、

  • 痛めてから3日後くらいまで

のタイミングで強く症状を感じる傾向にあると現場で感じます。

考えられる理由には

  • 炎症物質によるもの
  • 痛みの出にくい動きの習得まで

の二つが考えられます。

炎症物質は痛めてから数日にかけて出続けます。

炎症物質ですので、出ている間は痛みを強く感じてしまうのです。

同時に痛みが出にくい身体の使い方を身につける時間として、数日間を要します。

そして治りかけの数日前には再び強い痛みが現れるのも、肋骨骨折の大きな特徴でしょう。

不思議なのですが、強い痛みは一時的で、一晩寝ると強い痛みが消えているケースがほとんどです。

なぜ痛みが一時的に出るのか?

それはやはり、動きの量に対しての疲労によるものでしょう。

    なお、複数の肋骨を骨折しているケースでは、痛みのピークが1週間以上も続くケースがあります。

    肋骨骨折の寝る姿勢とは?

    肋骨骨折の寝る姿勢で理想的なのは、

    • 患部を下にしないこと

    これに限ります。

    肋骨を下にすると自重により、肋骨にたわみが生じ、そのたわみが患部への刺激となり痛みが強くなるのです。

    そのため、患部を上にするとたわみの刺激が加わらずに痛みも軽減されます。

    うつ伏せの姿勢はそこからの動き出しの際に、肋骨に刺激が入りやすいためにお勧めはできません

    このことから、仰向けと横向けの寝姿勢を繰り返すことが痛み軽減に繋がるのです

    肋骨骨折をしても楽に起き上がる方法についてはこちらをご覧ください。

    肋骨骨折でも楽に過ごす方法をご紹介!寝方と起き上がり方のコツとは!?

    肋骨骨折を早く治す方法

    では肋骨骨折を早く治す方法も合わせて、お伝えしていきます。

    肋骨骨折を早めに治して、安心・健康的な日常生活を取り戻すための治し方5選を参考にしてみてください

    固定

    肋骨骨折の固定は、バストバンドというベルトが使用されるのが一般的です。

    バストバンドは骨折した患部を固定し、呼吸を楽にしたり、痛みを緩和します。

    きちんとした固定ができると日常生活だけでなく、寝起きもかなり楽になれるでしょう。

    接・整骨院や整形外科の先生に正しい巻き方を、アレンジすることなく使用してくださいね。

    テーピング

    肋骨骨折のテーピングは、

    • 肋骨を保護する
    • 肋骨の間の筋肉である肋間筋の動きをサポートする
    • 優れた固定力で安静を維持しやすい

    などのメリットがあります。

    メリットがある反面、テーピングはスポーツの際などに一時的に巻くことは推奨しますが、肋骨骨折をしている間中ずっと貼り続けるのはあまりお勧めできません。

    テーピングの代わりにサラシなどで代用すると良いでしょう。

    酸素ルーム・カプセル

    酸素ルーム・カプセルによる肋骨骨折の治療は、1時間程度ルーム内に入り、高濃度の酸素を体の内部に取り込みながら、細胞や組織の修復にアプローチでき、最大4割早く治すことができます。

    「治るまで待つ」よりも明らかに早い復帰になります。

    超音波

    超音波による肋骨骨折の治療は、患部に1日20分程度低出力のパルスを患部に照射します。

    【イトー超短波社製:オステオトロン】

    オステオトロンV

    超音波治療を受けると、正常な骨折修復が活性化し、骨の癒合までの一般的な日数を4割短縮できるというデータがあり、先程の酸素ルーム・カプセルのように「治るまで待たない」積極的な患部へのアプローチ方法となります。

    セルフ施術

    肋骨骨折は内臓の不調や異状にもつながりやすいため、全身の状態を良くする日常生活にも気を配ることが大切です。

    骨の癒合を促進するセルフ施術をまとめてみました。

    • 食事:食事以外の炭水化物(糖質)を減らし、骨の形成を促すカルシウム、タンパク質、ビタミンDやKを摂取する
    • 生活:太陽の日を一日20程度浴びる
    • 禁煙:喫煙は骨の癒合を遅らせると言われているため、安静時や治療中は禁煙する
    • 入浴:血流が促進され骨の癒合に良い

    食事面は骨折の治りを大きく左右し、糖質と牛乳の過剰摂取は必ず控えるべきです。

    シャワーから入浴に切り替える時の目安は、一度湯船に普段通り入って、上がった後に患部がズキズキと痛まなければ以降は普通に入って良いでしょう。

    何本も折れていなければ、翌日からでも入浴は可能です。

    「入浴後に患部の痛みが強くなったか、変わらないか」で判断して間違いありません。

    肋骨骨折と打撲の違い

    肋骨骨折と打撲の違いは症状だけでの判別はかなり困難ですので、画像で患部の状態を確認しましょう。

    打撲はその部位を強くぶつけ、骨や靱帯、関節などを傷めるケガの総称のことを言います。

    肋骨骨折の場合は、外的からの強い刺激や衝撃によって、骨のひとかたまりのつながりが途切れた状態になることを言い、打撲よりもスムーズに動けない、痛みを強く感じるのが打撲との違いと言えるでしょう。

    ですが、症状だけの判断はかなり難しいです。

    打撲についてはこちらをご覧ください。

    自分で早く治す!打撲の対処法とセルフケアの方法をお伝えします!

    肋骨骨折の疑いがあったら~まとめ~

    肋骨に痛みを感じ、その間にくしゃみや咳の症状が長く続いていたり、肋骨にズキッとした音・痛みがある場合は、骨折の疑いが強いと考えられるかもしれません。

    そんな時は決して自己判断・放置をせず、早めに先生にみてもらうようにしましょう。


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