肋骨にはどんな役割があるの?本数や部位、よくある疑問にお答えします


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身体の中心部分にある肋骨について、役割や本数などを把握している人はまだまだ少ないのではないでしょうか。

心臓や肺を守る、身体の鎧のような役割のある肋骨について、今回は特徴とよくある疑問をわかりやすく解説します。

肋骨の役割や本数、部位などについて詳しく知るための基礎知識を一緒に学んでみましょう。

院長:伊藤良太
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肋骨とは

肋骨は身体を伸ばしたり、手で触れるとその存在を把握しやすい部位でもあります。

肋骨の本数や役割、部位などの気になる基礎知識から一緒に見ていきましょう。

本数

あばら骨ともいわれることが多い肋骨は、左右12対ずつ存在し、全部で24本の骨があります。

人間の骨の数は成人の場合、全部で206個±数個(人により個数は前後)あるので、肋骨は全身の骨の大部分を占める骨と言っても過言ではありません。

役割

肋骨には肺や心臓などの大切な臓器を守る、鎧のような役目があります。

肋骨は呼吸によって肺が膨らんだり縮んだりの動きを繰り返す際に、その動きに合わせて一緒に動き、これは筋肉の力を借りての動きとなっていまるのです。

また肋骨には、真肋(しんろく)と仮肋(かろく)の2つがあり、真肋(しんろく)は第一肋骨から第7肋骨までの7つのことを言い、徐々に長く、細くなる形状が特徴です。

真肋(しんろく)は胸郭を支え、柔軟性を与える役割があります。

代わって肋骨の仮肋(かろく)には第8から12対があり、助軟骨に結合し、胸骨とは間接的に結合されています。

肋骨の内側には肋骨溝があり、この溝は呼吸筋として胸郭の拡張や収縮を助ける働きがあります。

肋骨の間にある筋肉についてはこちらをご覧ください。

肋間筋ってどこにあって何をする筋肉?ストレッチや機能を詳しく解説!

部位

肋骨は脊柱から内臓を取り囲むように、胸部から付いている骨です

肋骨の見た目は比較的細く長く弓状になっていて、脊柱である胸椎から始まり、胸骨にかけて内臓を取り囲む形でついています。

肋骨は脊柱の部分(背中側)では胸椎の肋骨窩(ろっこつか)または横突肋骨窩(おうとつろっこつか)と関節を形成していて、前側の端では助肋骨という骨が胸の骨と結合して存在しています。

肋骨は骨折しやすい?

肋骨は平べったい形状をしているため、ヒビが入ったり、折れたりしやすい部位でもあるのです。

ただ肋骨は折れることによって心臓や肺への衝撃を逃がす役割があります。

ここでは肋骨骨折の原因や症状について見ていきましょう。

肋骨骨折の原因

肋骨のヒビや骨折は、

  • 加齢によって骨が弱くなっている
  • 丈夫な骨を育てるための栄養が不足している
  • 高所からの転落によるもの
  • 交通事故によるもの
  • 柔道やラグビー、格闘技などのコンタクトスポーツによるもの

などが主な原因と言われていますが、体幹をねじったり、風邪などで咳が長期間続くなど、日常生活のちょっとしたきっかけ

も生じることがあります。

また肋骨の骨折は、骨粗鬆症などで骨が弱くなっている高齢者にも生じやすく、

  • 軽い外傷
  • 喘息や気管支炎
  • 肺炎で咳を繰り返す

などが原因となることもあり、自分では気づかないうちに肋骨骨折が発生することもめずらしくはありません。

肋骨骨折をしてしまった時の動き方についてはこちらをご覧ください。

肋骨骨折でも楽に過ごす方法をご紹介!寝方と起き上がり方のコツとは!?

肋骨骨折の症状

肋骨骨折は、骨折をした部位に強い痛みを感じやすく、深呼吸や繰り返しの咳、身体をねじった際に痛みが出ます。

強い外力・衝撃によって肋骨骨折が生じた場合は、局所が腫れたり、皮下出血が見られることも。

肋骨は肺や心臓を守る役割があるため、肋骨骨折によって肺や心臓の臓器が損傷してしまうリスクもあり、この合併では命にまでかかわる危険性もあります。

肋骨骨折について詳しくはこちらをご覧ください。

肋骨骨折放置のリスクと肋骨骨折のチェックリスト、対処法を詳しく解説!

肋骨に関する疑問

肋骨に関して、男女の性別によって本数に違いがあるのかなど、細かな疑問を抱くことも多いのではないでしょうか。

ここからは肋骨に関する気になる疑問にお答えしてみたいと思います。

肋骨の本数が足りないことはあるの?

成人の肋骨の本数は左右12本ずつの合計24本となっていますが

  • 肋骨異状
  • 先天性脊椎奇形

などが原因で、本来の肋骨の本数が足りなくなってしまうこともあります

ですが本数を確かめるには触ってわかるのはありませんので、大人になってから知った、ということも珍しくありません。

肋骨が13対!?

肋骨の本数が13対ある人も中には存在していて、

  • 肋骨の12番目の下に小さな肋骨がある
  • 肋骨の1番目の下に小さな肋骨がある

ことも。

肋骨の1番目の下に小さな肋骨がある場合はそこまでの支障はないと言われているのですが、1番目の上に肋骨がある場合は何かしらの支障が出やすいとも言われています。

肋骨が13対あることを頸肋(けいろく)と言い、頸肋が神経を圧迫するため、腕にしびれが出たり、力を入れて動かすことができなくなる支障が生じることもあります。

腕の痺れや感覚異常についてはこちらをご覧ください。

胸郭出口症候群の重症化予防のためにテストで息苦しい症状が出ないかチェック!

男女の違いはあるの?

肋骨は年代や男女の性別で、骨の形状・太さに差が出ることはあるものの、成人の場合は男女ともに左右12本、全体で24本の肋骨があり、男女による本数に違いはありません。

動物と本数は違うの?

円口類(えんこうるい)の動物には肋骨はなく、爬虫類の場合は、人間の肋骨のように胸の骨と結合しない不肋骨があります。

動物の肋骨は、

  • 犬や猫の場合:13対
  • 豚の場合:15~16対
  • 馬の場合:18対

となります。

動物の肋骨の本数はわずかではあるものの人間と差があり、動物によっても本数は同じではないのです。

肋骨について詳しく知ろう【おわりに】

今回の記事を読んで、肋骨についてかなり詳しくなったのではないでしょうか。

肋骨はちょっとしたきっかけや、内臓を守るための本来の役割から、比較的骨折しやすい部位と言えます。

肋骨と内臓の健康を維持するために、骨に良い生活習慣を心がけるようにしましょう。


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